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「デビスカップ」から1ヶ所開催の「ワールドカップ」へ。ITFが進めるプランが明らかに

8/13(月) 6:30配信

THE TENNIS DAILY

30億ドルに及ぶ国別対抗戦の「デビスカップ」の改良案を支援してもらえるように、テニス界のリーダーは多くの国に資金援助を申し出ている。

【写真】2月の「デビスカップ」1回戦のときの日本代表

しかしながらITF(国際テニス連盟)は、主力であるこの男子の大会についての最終決定を、「テニスワールドカップ」プロジェクトのスポンサーである投資家たちにある程度まで委ねる予定で、その中には開催権を売ることのできる、IT業界の億万長者であるラリー・エリソン(オラクル共同創業者兼会長兼CTO)も含まれている。

ITFの最新の試みは、ナショナルチームによる世界選手権を改革すべく、大会期間を7日間にし、1ヶ所で開催される18ヶ国による男子のイベントを導入したことである。現在の「デビスカップ」の決勝戦は2ヶ国間で行われていて、そのうちの片方が開催地を選ぶことになっている。

3年間、ジュネーブで「デビスカップ」と「フェドカップ」の決勝を同時開催するというITFが最初に考えていた計画は、ITFの年次総会の前に行われた反対運動を受けて中止された。

AP通信の電話インタビューに応じたデビッド・ハガティITF会長は「テニスにおいて、すべてのポイントを取ることはできないし、すべての試合に勝てるわけではない」と語る。「常に全員が同意してくれるとは限らない。だから、参加国からのフィードバックを受けたことで、認可のために年次総会で提案する予定の最終案を改良することができた」。

年次総会は来週、フロリダ州のオーランドで開催される予定だ。

他の国際的なスポーツ統括団体においても、似たようなことが計画されている。FIFA(国際サッカー連盟)は新しい国際サッカー大会を導入する計画を立てていて、外部の投資家からの12年間に渡って250億ドルの資金援助を受けることになっている。しかしこの財源が透明性を欠如しているという懸念が広まっていることから、この計画は窮地に追い込まれている。

テニスにおいて金額は少ないものの、同様にITFも資金調達についての疑惑に直面している。Tennis Europe(ヨーロッパテニス協会)のヴラジミール・ドミトリフ会長は、ITFが投資グループ「Kosmos」から受けた25年間で30億ドルの銀行保証に関する詳細が不透明と不満を訴えている。その投資グループ「Kosmos」は、FCバルセロナ所属のジェラール・ピケによって設立され、エリソンの後援を得ているグループだ。

「契約を締結しているので、機密情報である」と、契約の内容についてハガティは明言を避けた。ハガティは取引が承認されれば、年間2500万ドルが加盟国に分配されることを明らかにする予定だが、この取引では、ITFがコート上の規定に関しては維持できる一方で、「テニスワールドカップ」における商業的な権利と主催する権利を「Kosmos」へ譲渡することが必要になる。ハガディは、「Kosmos」が人権侵害の疑いのある国に大会や開催権を売らないように「多数の保護」を設けたと話す。

ITFは決勝に関して、最初は必ず「ヨーロッパの象徴的なロケーション」で開催しなければならないと明記しているが、エリソンは自身が保持するカリフォルニア州の「インディアンウェルズ・テニスガーデン」が2021年の「テニスワールドカップ」決勝の候補地だった述べている。

すでにITFは男子テニスツアーに関して抜け駆けをしており、2020年から「ATPワールドチームカップ」を復活させる計画を立てている。トーナメントは2020年に24チームが参加し、賞金1500万ドルが用意される予定だ。ハガディは、単に男子のトップレベルの選手を裕福にするというよりは、次世代の選手のために資金調達を行うことに焦点を当てていると主張する。「ジュニアイベント、ジュニアトーナメントを開催している組織は、若手選手が出始めたときにコーチングの機会を提供し、厳しいプロサーキットイベントを開催することで、選手たちが自分の国の中で成長し続けられるようにしています」。

ハガディによれば、Tennis Europeは反対しているにもかかわらず、自身の提案に対して「非常に協力的」なヨーロッパの国が40ヶ国も会議に参加していたという。「この4~5日間に、反対を表明する方々から多数の電話と手紙が届いた」と言う。「すべての国が支持的というわけではないが、「デビスカップ」の改革に対して、数多くの国が非常に支持的なのは間違いない」。

1900年に創設された「デビスカップ」は、多くのトップ選手がプレーしないことを選んだため、近年、忙しいスケジュールの中で適切な日程を決めることに苦労してきた。

承認されれば、「テニスワールドカップ」は、2月、7月、9月、11月の各週末に開催されるのではなく、「デビスカップ」決勝が伝統的に開催されていた週に7日間にわたって行われる予定だ。この大会は総当たり戦方式とそれに続く決勝トーナメントによって構成される。それぞれ3セットマッチ行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で構成される。

(C) AP(テニスデイリー編集部)

※写真は「デビスカップ」イギリス代表でかつてチーム・リーダーをしていたアンディ・マレー(「ATP500 ワシントンD.C.」のときのもの)
(AP Photo/Nick Wass)

(c)テニスデイリー

最終更新:8/13(月) 6:30
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