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【観戦記】勝てた試合…慶応が高知商に大敗した3つの理由

8/13(月) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

コラム【夏の甲子園100回大会 鬼の観戦記】

 慶応は6-12で高知商に打ち負けた。勝てる試合だっただけに残念な結果である。

 勝負の分かれ道は3つあった。

 まずは慶応の「走塁」。1点を先制された直後の一回裏、死球を含む5連打で高知商・先発の北代を攻めたてた。しかし、慶応は二塁走者の大川、広瀬が相次いで本塁で憤死。高知商外野陣の返球が素晴らしかったとはいえ、2人とも「第2リード」が小さい。あと2、3歩リードが取れていれば完全にセーフ。いや、セーフにならないといけない当たりだ。1イニングで5連打しながら、結局2点止まり。高知商に流れを渡してしまった。

 2つ目は「投手フィールディング」。1点リードの二回1死一、三塁から一塁寄り投ゴロを投手の生井が本塁へ悪送球、同点としてしまった場面だ。捕手・善波のミットが走者と交錯して弾き飛ばされた。左投手にとって、三塁側より一塁側の打球の方が本塁へ送球しやすい。言い訳のできない痛恨の失策である。

 3つ目は「継投のタイミング」。生井は4回途中12失点で降板したが、交代機は7失点した二回途中である。結果として2番手の渡部は5回3分の2を無失点と好投しただけに悔やまれる。初回に1失点し、二回に3、4失点のところで交代しないと遅い。仮に5失点で渡部にスイッチしていれば、6-4か6-5で勝っている試合。森林監督の中で2人の投手に対する信頼度の差はあったにせよ、この日の生井はスライダーでストライクが取れないだけでなく、ホームベースのかなり手前でワンバウンドする球もあった。

 慶応の部員数は105人。神奈川県内最多といわれる。県外生も多い。数年前に推薦入試の基準が下がったことで、U15日本代表クラスがゴロゴロ入学できるようになったと聞く。それなのに、この日のようにミスが続出してしまうのは、普段からそういう練習をやっていないからではないか。

 一方、高知商の上位打線は破壊力がある。特に1年生で「2番・三塁」の西村が2安打3打点でチームを引っ張る。3回戦は星稜に逆転勝ちした済美と対戦する。打線はいい勝負だが、済美打線が北代の低めのスライダーを見極められるか。投手力の差で済美が有利とみている。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)