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夏の甲子園、記者が務める意外な仕事 超目立つ「H」「E」ランプの裏側、1球1球集中する記録員

8/14(火) 7:02配信

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 取材をして記事を書くだけが、記者の仕事ではない? 熱戦が続く第100回全国高校野球選手権大会では、主催者の朝日新聞社ならではの仕事があります。その一つがスコアブックをつけながら「あの打球はヒットなのか、エラーなのか」などを判断する公式記録員です。特に野球を担当しているスポーツ部の記者が、持ち回りで務めます。これを読むと、あなたも野球の見方が少しツウっぽくなるかもしれません。(朝日新聞スポーツ部記者・井上翔太)

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マイクで瞬時に説明

 今回、記者が担当させてもらった試合は、8月5日の大会初日第2試合、済美(愛媛)―中央学院(西千葉)戦。
 記録員の判断が求められる場面は、いきなりやってきました。

 一回、中央学院の攻撃。1死二塁から、3番打者の青木選手がレフト前ヒットを打ちました。
 二塁走者の平野選手は、三塁を回って本塁へ。レフトのバックホームがキャッチャーの後方にそれて、ホームイン。
 ボールがバックネットまで到達する間に、打者走者の青木選手は三塁まで進みました。

 ここで公式記録員には「青木選手が、どのプレーによって二塁、三塁と進んだのか」という説明が、瞬時に求められます。
 手法は、マイクを使って、バックネット裏の記者席向けにアナウンス。

 「打者走者の二塁進塁は、レフトからの送球間。三塁進塁はレフトのエラー。打点はつけます」

 すると、隣に座っているアルバイトの学生が、用紙に清書してくれます。
 他にアナウンスするケースは「投手交代時の球数や失点、自責点の数」「試合開始と終了時刻、観衆の数」などです。先輩からは「ラッシャー木村のマイクパフォーマンスを参考に、声は大きめで」と言われたことがあるので、ネット裏のお客さんにも聞こえているかもしれません。
 以前「今の本塁打は大会通算1500号です」と言ったら、拍手が起こりました。

しびれる「ノーノーの展開」

 公式記録員にとって、最も「しびれる」展開は、やはりノーヒットノーランになりそうな試合。「七回を終えて無安打」なんてことがあれば、もうドキドキ……。

 そんなとき「三遊間に緩いゴロが転がって、サードが触ったかどうか微妙で、ショートが捕球して一塁に投げたけどセーフ!」なんてことが起こったら……。

 考えただけで、手が震えます。横浜高校の松坂大輔投手(現・中日)がノーヒットノーランを達成した第80回記念大会(1998年)決勝は、公式記録員にとっても、ハラハラした試合だったはずです。

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最終更新:8/14(火) 10:17
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