ここから本文です

褒めない上司、ダメ会議をITの力でしなやかにたたき直す? SI営業「チタン女子」の働き方改革

8/13(月) 8:30配信

ITmedia エンタープライズ

 あなたの周りに、“長年活躍し続けている営業ウーマン”はどれくらいいるだろうか? 20代前半の元気な女性営業の顔は何人か思い浮かんでも、中堅やベテランとなると、数がぐっと減ってはいないだろうか?

仮想通貨を使って褒め合う「仮想通貨”Pay It Forward”」

 実際、ハードワークや長時間労働で疲弊し、結婚や出産といったライフイベントを理由に現場を離れる営業職の女性も多く、大手SI企業として知られる新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)も例外ではなかったという。

 そんな中、この問題に当事者として向き合い、技術の力を借りて女性が営業の仕事を続けていける環境を作り出すことを提案した女性たちがいる。NSSOLの女性営業スタッフ6人が中心となって結成したチーム「チタン女子」だ。

 チタン女子は、女性営業職が抱える問題の解決を目指して複数社が共同で取り組むプロジェクト「新世代エイジョカレッジ」への参加を目的に結成されたチーム。2014年に7社で始まった新世代エイジョカレッジは年々拡大し、これまでに延べ参加企業は46社を数え、参加した営業女性(エイジョ)は444人に上る。

 企業からエイジョカレッジに送り込まれたエイジョ(営業職の女性)たちはチームを組み、自分たちが抱える課題を解決するための施策を企画し、1カ月以上にわたる実証実験を行って、その結果を提言にまとめる。その内容が2回の事務局審査を通過すると最終プレゼンの権利が得られ、そこで大賞が選ばれる。2017年に21社、38の取り組みの中から大賞を獲得したのが、初参加の「チタン女子」だった。

 営業職の中でも特に女性が少ないSI分野の女性営業として、彼女たちは何に悩み、実証実験を通じて何を得たのか――。チームのメンバーに話を聞いた。

部内に女性が少ない、ロールモデルがいない……SIerの孤独な女性営業たち

 チタン女子のメンバーは、社会人歴5年から10年目くらいまでの女性たちで構成される。所属する部署はそれぞれ異なり、普段は「女性の同僚と話す機会がほとんどない」というメンバーも多い。

 「日頃は部内に女性が1人という状況で、男性スタッフたちがタバコ部屋で楽しそうに話しているのを横目で見ながら、『女性の営業同士でお茶しながらいろいろな話ができたらいいだろうな』と思っていました。エイジョカレッジに参加することで、その後も継続して連絡を取り合えるような仲間を作れるのではないかと期待していました」(産業・流通ソリューション事業本部の諸信慧さん)

 ITインフラソリューション事業本部の秋田有美さんは、6人の中で唯一のワーキングマザー。これまで二度の育休を経て営業職を続けており、女性営業担当者のあいだでは「子育てしながら、営業として働き続ける女性がいる」と、「うわさの人」だったようだ。しかし、当の秋田さんは、社内にロールモデルがいなかったことから、不安が大きかったという。

 「私自身はずっと営業の仕事を続けたいと思っていたのですが、育休明けには『今の時期は他部署に異動した方がいいんじゃないか?』という話もありましたね。もちろん、これは善意からの配慮なのですが、私の思いは違っていたんです。ただ、『異動したくありません。営業がいいです』と言ってはみたものの、子育てをしながら営業職を続けられるのか……という不安や迷いもありました。

 エイジョカレッジの最初の打ち合わせは、2回目の育休から復帰してちょうど1カ月くらいたった頃。子育てと営業の仕事を両立できるか不安になっていたので、エイジョカレッジの活動が自信や前向きな気持ちを持つきっかけになれば、と思っていました」(秋田さん)

1/5ページ