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ラジオの生放送に遅刻した!~元たま・石川浩司の「初めての体験」

8/13(月) 0:10配信

DANRO

始まる番組と焦る僕ら

「8時過ぎより、今日のゲストは、たまの石川浩司さんです」

ラジオから、明るい声が聞こえてる。

「やばい。間に合わへんかもなぁ。ここからどのくらいで着きますか?」

マネージャーも焦ってきた。

「いやー、渋滞なんでなんとも・・・」

しかし、相当にやばい状況ということだけは、すぐにわかった。運転に焦りの色が出ていたからだ。黄色でも止まる紳士的だった運転は消え、赤になりたての信号なら、強行突破する勢いになっていた。

「あっ、安全運転だけはお願いしますね」

「はいっ!」

そしてついに出演予定の8時。

「次のコーナーはたまの石川さんの登場です」

「登場」って言ったって、ここにいるがな。まだここは・・・池袋駅前だ!

「番組、何時までやったっけ?」。青ざめてきたマネージャーが聞く。

「えーっと、8時半まで」

「やばい、やばいでえ」

CMが終わり、ついに僕が出演するコーナー・・・のはずが出られるわけもない。急遽、交通情報や気象情報を差し替えで入れてくれているらしい。

「ただ今、都心では朝の渋滞が始まっており・・・」

「まさにここが、そのまっただ中なんじゃあぁぁぁぁ!」

 マネージャーの携帯が鳴る。番組のスタッフからだ。

「今、どこですか!」

「運転手さん、ここ、どこですか!?」

「えっ、えーと、旧フジテレビのあたりで・・・」

「とにかく急いで来てください!」と番組のスタッフ。そうは言っても、降りて「うぉぉぉぉぉぉっ!」と叫びながら走る距離ではない。どうしようもない。

しかし都内は信号が多い。大きな交差点でひっかかると、2分やそこら待たされる。キャスターの小西さんのしゃべりは、先ほどまでの軽快な感じから、明らかに時間を延ばすことを意識したスローな口調になっていた。そしてついに、ラジオから、たまの「あっけにとられた時のうた」が流れ始めた。

「うっ、うわーっ」

演奏がフルで流され、終わった。

「ただいま、ゲストの石川さんが遅れています。・・・それではもう1曲聞いていただきましょう。たまで、『ゆめみているよ』」

また番組スタッフから電話が。「いま、どこですか!!」

「運転手さん、ここはどこっ!?」

「えー、えーっと女子医大の前です!」

「急いで、急いで、番組が終わります!」

その時、運転手さんの携帯電話がなった。どうやらハイヤー会社かららしい。

「えっ? 次はどこだって? まだ最初のお客さんが着いてないんだよっ! 渋滞なんだよ!」

ガチャン。甲高い声で激しく受話器を車用の電話フックにかけようとするが、もう手が震えてまともに置けなくなっている。

「あぁー。もう駄目やー」

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最終更新:8/13(月) 0:10
DANRO

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