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<大阪北部地震>取り残される地震被災者

8/13(月) 11:31配信

アジアプレス・ネットワーク

◆府内の住宅被害のほとんどが一部損壊「災害救助法」対象外

大阪北部地震は7月8日、発生から1か月を迎えた。最大震度6弱を記録した大阪府高槻市や茨木市には、今も屋根にブルーシートを張った屋根が目につく。被災者は西日本豪雨の避難者に心を寄せつつも、「これで世間の関心がますます薄れ、私たちは取り残されるのではないか」と不安を募らせる人もいる。(矢野宏・新聞うずみ火)

府によると、府内の住宅被害は3万棟を超え、そのほとんどが一部損壊。被災者を救済する法律として、最大300万円支給される「被災者生活再建支援法」や、最大58万円の応急修理が公費負担される「災害救助法」があるが、一部損壊の場合は対象外だ。

府は、一部損壊を含む被災住宅の補修に最大200万円を無利子で貸し出す融資制度を創設。避難所から自宅に戻れないなど、一定の条件を満たす被災者に賃貸住宅を「みなし仮設」として提供することも始めた。また、高槻、茨木両市も独自の補助を設けたが、再建や補修費用をまかなうまでの額ではない。

とりわけ、借家の場合、家主が補修してくれるのかどうか不安を抱えている人も少なくない。茨木市の橋本康介さん(70)、真樹子さん(68)夫妻もそんな一人。

「大家さんが高齢なので、再建の意欲をなくして賃貸業をやめると言われたら、この歳で次の家を探さなあかんようになる。そうなれば難儀だ」

夫妻で7年前に物件を見た時、庭付きの平屋で住みやすそうだからと転居を決めた。
 
ところが、あの日の地震により築40年の住宅の屋根瓦がずれ、風呂場のタイルも剥がれ落ちた。応急危険度判定は黄色の「要注意」で、一部損壊と診断された。

雨漏りの応急処置のため、業者にブルーシートを屋根に張ってもらうよう連絡したが、なかなか順番が回ってこない。ようやく張ってもらったら、7月5日からの豪雨。

「ブルーシートが飛んだら部屋の中は水浸しになるから近くの小学校への避難も考えたが、少々雨漏りはしたけれど何とか持ったわ」

地震発生から1か月、橋本さん夫妻は今も身動きが取れない。

防災の専門家で兵庫県立大教授の室崎益輝さんは、政府の緊迫感のなさを指摘し、「全国の瓦業者を大阪に集め、その交通費は国が持つといった支援をしないと、被災者はいつまでも取り残されてしまう」と警鐘を鳴らしている。