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米中貿易戦争は長期化の様相――中国ハイテク製品狙い撃ちで安全保障で全面的「敵対」へ

8/13(月) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

米中「貿易戦争」が抜き差しならない悪循環に陥り始めている。

争いの性格も単なる通商摩擦にとどまらず、米中パワーシフト(大国の重心移動)に伴う「中国抑止」へと変化し、長期化の様相を呈してきた。長期化すれば、自由貿易体制を委縮させ、第二次大戦の引き金になった世界経済ブロック化が再燃する危険があるだけに、決して侮ってはならない。

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甘かった見通し

経過をおさらいする。トランプ政権が、中国による知的財産権の侵害を理由に500億ドル(約5兆5700億円)相当の中国製品に25%の制裁関税を課すと発表したのは6月15日。7月には第1弾の340億ドル分を発動、8月23日には第2弾がスタートする。さらに2000億ドル相当の輸出に25%の追加関税を課す第3弾も控えている。

中国政府もそれぞれ同規模の報復を発表し、「経済合理性」に逆行した高関税の応酬はエスカレートするばかりだ。

「経済合理性」とは次のような論理である。

中国商務省の7月の発表によると、中国の対米輸出の6割は、アメリカを中心とする外資企業の輸出が占める。だから中国製品に高関税を課せば、ダメージを受けるのは中国側だけではない。アメリカ企業と経済にも損失を与える。好調なアメリカの成長を支えるハイテク企業は、中国からの輸入製品に頼っており、米半導体産業協会は対中制裁を「逆効果だ」と批判する。対中貿易戦を11月の中間選挙での勝利につなげる目論見にも狂いが生じる。

米中両国は5、6月、閣僚級の貿易協議を3回開いた。中国側が米国製品やサービス輸入の拡大で合意しただけに、「話し合いで解決する」という「甘い見通し」が支配的だった。

北朝鮮、台湾問題と連動

高関税の応酬を、「経済合理性」だけから判断すると本質を見誤る。通商摩擦と並行して顕在化する北朝鮮・台湾問題、南シナ海問題などの政治摩擦は「米中パワーシフト」(大国間の重心移動)という地下水脈で連動している。

対中制裁関税を発表した6月15日という日が、注目に値する。歴史的な米朝首脳会談がシンガポールで開かれた3日後だ。対中制裁と朝鮮問題の連動については、米朝間に直接対話のチャンネルができたため、トランプ氏は北朝鮮に対する中国の影響力を考慮する必要がなくなった、という分析がある。今後も北京に向けて、北朝鮮関係改善のポーズをとり続けるはずだ。

台湾カードはもっと露骨である。トランプ大統領は就任直前、蔡英文・台湾総統と電話会談したのに続き、2018年3月には米台高官の相互訪問に道を開く「台湾旅行法」に署名し北京を苛立たせた。さらに上院は8月初め、台湾との軍事関係強化を盛り込んだ「2019年度国防権限法案」を可決。中国が「核心利益」とみなす台湾問題にあえて手を突っ込み、揺さぶりをかけ続けている。

台湾の馬英九・前総統の外交アドバイザーを務めた楊永明・台湾大学教授は「トランプのアジア回帰政策は北朝鮮、インド太平洋戦略、対中貿易戦の三局面から、中国を抑止しようとする」(台湾紙「聯合報」8月4日付)と分析している。狙いは単に通商摩擦の解消ではなく、対中抑止を通じたパワーシフトの有利な展開にあるという見方だ。

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最終更新:8/13(月) 12:11
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