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「マツダの呪い」解いた巨人重信 手本はドリフト神

8/13(月) 8:00配信

日刊スポーツ

<広島4-8巨人>◇12日◇マツダスタジアム

 巨人重信慎之介外野手(25)が「マツダの難関ラリー」をドリフト走法で突破した。リードオフマンで縦横無尽に駆けた。初回、右中間二塁打で出塁し、先制のホームを踏むと3回も一塁線突破の二塁打。5回も先頭で左中間への三塁打で3連続長打での猛打賞をマークすると、打線が呼応し、5連続安打などで大量4点を奪った。快勝で昨年8月12日から13連敗中だった敵地で、待望の1年ぶり勝利を挙げ、目前での広島のマジック点灯を阻止した。

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 トップスピードのまま直角にターンを決めた。2点先行の5回。先頭打者の重信は左中間最深部へと打球を放つと、赤土を蹴り上げて二塁を回った。「迷わずに行きました」とブレーキをかけずに加速すると、余裕を持ったスライディングで三塁へと到達。見事な「ドリフト走法」で口火を切ると、打線が5連続安打とつながり4得点。広島に周回差のリードをつけた。

 初回からアクセルはベタ踏みだった。6試合ぶりに「1番中堅」で出場。敵地13連敗中だった広島攻略へ「とにかく塁に出ようと。後は何もできないので」とスタートダッシュだけを心に置いた。1回に二塁打を放って先制点の走者となると、3回にはバットを折りながら二塁打。3連続長打で難敵を置き去りにした。

 「ドリフトの神様」が手本だ。世界的ラリードライバーのケン・ブロックを敬愛。崖ギリギリを攻めるドリフトに魅了された。ケンの愛車「Ford RX43」と背番号43も一致。神業の動画を見て「不可能を可能にするのがすごい。自分もドリフトみたいな走塁がしたい。スピードを落とさず、攻める」と失敗を恐れない姿を心に刻んだ。

 心のギアは常にニュートラルに置く。春季キャンプで打撃フォームは日替わり。振り子打法を試した次の日には、がに股打法をトライ。現在はヤクルト青木の打ち方を参考にする。「打ち方はひらめき。試してみて感覚が良かった。考え込むことが多かったけど、常にニュートラルにして手応えがあったら1速、2速で一気に加速する。いい意味で適当になった」と精神のピットインが好調を生む。

 前日に9回2死から追いつき、投手を代打起用する総力戦で引き分け。流れを引き寄せて広島での呪縛を解いた。高橋監督は「そう言われるからね(苦笑)。でも勝ったことが大きい」と胸をなで下ろした。初戦を無敗メルセデスで落とし、鈴木を中心とした打線に苦しめられたマツダの最難関ロード。重信のドリフトが切り裂いた。【島根純】

 ◆ケン・ブロック 1967年11月21日、米カリフォルニア州生まれ。94年にスポーツブランド「DCシューズ」を設立し、05年にラリー競技に本格参戦。ネット上で公開された動画は合計4億回以上再生され、「ドリフトの神様」と呼ばれる。

最終更新:8/13(月) 8:16
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