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自然や動物が愛おしくなる “せつない動物の事実”描いた本が世界中で大人気

8/21(火) 12:10配信

THE PAGE

広告クリエイターとしての仕事も 試行錯誤は苦にならないのは両親のおかげ?

 ブルックさんは「せつない動物探し」のほかに、ナイキやコカ・コーラなど世界的企業の広告制作にも携わっている。ブルックさんの創作の原点はどこにあるのだろうか?

 「子どものときから動物の絵を描くのが好きでした。それは私だけでなくほかのお子さんもそうだと思います。私は図書館で司書として働いていた経験がありますので、あとは動物についてさまざまな事実を調べまして、それを私が書いたイラストとあわせるという作業をしていまに至っています。もちろん広告の仕事もしているんですが、図書館の司書もやってそれから絵を書き出して、いまだに動物も書いているわけなんですけど、イラストとあわせる作業はとても好きでこれからも続けていきたいと思います」

 アイデアが浮かんだら、ほんの数日間考え、すぐにいくつかのバージョンをイラストに起こすと言う。また、ジョークを先に思いついて、それにぴったりと合う動物を探し、イラストを描いていくこともある。

 クリエイターやアーティストの「発想力」は、天性のもので、後から努力などで身につくものではないと言う人もいる。

 「私の場合には、努力すれば努力するほどやっぱりそれだけ神様からのギフトがあると思っているので、努力というのはとても大きな要素だと思います。つねに満足しすぎることなく、新しいジョークを作ろうとか、今度はこんなイラストにしてみようかな、などと考えを発展させるようにしています」

 ものを作るのが大好きなので、試行錯誤は苦にならないと言う。

 「とくに広告の仕事をしていますと、たとえばコマーシャルを作るときに、50くらいの試作を作ります。その中から最終的に選ばれるのはほんのひとつなんですけどね。もちろんその50の案の中にはけっしていいものでないものも混じっていますけれども、その中からいいものが見つかればいいのです」

 ブルックさんの両親は数学者で、彼女が広告の仕事をはじめたときには二人ともたいへん驚いていたと言う。それはすごくいい意味での驚きだった。

 「両親は数学者ですけれども、クリエイターとしての素養もあり、私を支えてくれていました。数学者も常に試行錯誤を繰り返していて、仮説を立て立証していくことをやっています。私も数学は得意でした。本の中に「ミツバチは500gのハチミツをつくるために、2000万円ぶん働く」というエピソードがあるのですが、そこには数学的要素が出てきます。あとハチドリのエネルギー効率のお話なども、数字が登場します。たとえば『すごいたくさん』と言うよりも『ピアノ何台分』と表現したほうが、リアリティーが違ってきますから」

 最後にブルックさんはこの本で、これまで知らなかった動物を好きになって、身近に感じてくれたらうれしいと話す。

 「動物を見るときに、もう少し優しい目で見てあげてほしいなと思います。たとえばその動物にとって今日はついていない日かもしれない。そんな日もあるんだと、この本を読んでいただけると分かるかもしれません」

 動物好きの人も、そうでない人も、可愛いイラストに癒やされながら、気軽に読んで知識が深められる新タイプの図鑑となっている。

(取材・撮影・文:小杉聡子)

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最終更新:10/1(月) 14:50
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