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金正男氏、隠し続けた「収入源」 北朝鮮から途絶えた送金…暗殺7カ月前「古民家を買わない?」

8/19(日) 7:00配信

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 2017年2月に暗殺された金正男(キム・ジョンナム)氏が、ひた隠しにしていた秘密がある。親友にも明かさなかった「収入源」。北朝鮮から送金が途絶え、動静が監視されるなかで、どうやってお金を調達していたのか。それを隠し通さなければならない事情が、正男氏にはあったようだ。(朝日新聞国際報道部記者・乗京真知)

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1泊12万円の高級物件

 正男氏がビジネスの話を持ち出したのは、2016年7月17日。殺害される約7カ月前の夜だった。

 「韓国にある古民家を買ってくれそうな人、いないかな?」

 よく知る実業家に仲介をお願いした。古民家が正男氏のものなのか、知り合いに頼まれたものなのかは、言わなかった。

 古民家は北朝鮮との国境に近い韓国北西部の島にあった。民話に出てきそうな築100年近い瓦ぶきの平屋は、古木が茂る庭や池に囲まれていた。4年ほど前に改装し、富裕層向けに1泊12万円ほどで貸し出していたという。

「武器や麻薬の販売はうそ」

 10代のころ欧州に渡った正男氏は、留学先で暮らしの豊かさを目の当たりにしたと言われている。留学から帰った後の1990年代には、父の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記とともに、国内の農園や工場を視察して回ったという。

 当時の状況について、正男氏は友人に「父とウナギの養殖場を見に行ったことがある。(運営がうまくいかない場合は)養殖場の責任者に死刑も含めた厳しい罰が科せられる」と話していた。

 日本から強制退去処分を受けた2001年ごろからは、北朝鮮を離れ、北京やマカオで過ごすことが多くなった。国家ぐるみの資金洗浄や密輸に関わっていると、疑いの目を向けられた。

 ただ、正男氏本人は、2011年1月の東京新聞の五味洋治氏のインタビューで「武器の販売とか麻薬の販売というのはうそです」と疑惑を否定している(五味氏の著書「父・金正日と私 金正男独占告白」より)。

 このころまでは、金総書記や正男氏の後見人だった張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長の援助があったとみられている。

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最終更新:8/20(月) 16:07
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