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東北の悲願へ、元エース「決勝の景色は大きな財産」 大越監督が語る29年前の夏/甲子園こぼれ話

8/20(月) 16:56配信

西日本スポーツ

 第100回全国高校野球選手権記念大会は21日に決勝を迎える。史上最多56校が参加した戦いもいよいよフィナーレ。頂点をかけた最後の試合を前に取材ノートから熱い夏を振り返る。

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 甲子園の関係者出口を出ると、見覚えのある人が立っていた。「どうも、久しぶりです」。こちらに声をかけてくれたのは早鞆(山口)の大越基監督だった。「練習が1日休みになったので甲子園を見に来ました。これから帰るところです」。日帰りで山口にとんぼ返りする強行軍の観戦だったようだ。

 大越監督といえば、平成最初の夏だった1989年に甲子園で準優勝した仙台育英(宮城)のエースだった。その後も東北勢は夏の甲子園で、ダルビッシュ有を擁した2003年の東北(宮城)、11、12年の光星学院(現八戸学院光星、青森)、15年の仙台育英と決勝に進み悲願にチャレンジしたが、いまだに優勝旗は東北に渡っていない。そして大越監督の仙台育英が準優勝してから29年後の今年、平成最後の夏に金足農(秋田)が決勝へ進んだ。

 大越監督も東北勢の優勝を強く願っている。「公立校だしすごくいいチーム。第100回で優勝なんてすごいじゃないですか。僕は全力で応援します」と自分が果たせなかった夢を託している。

 金足農のエース吉田輝星(3年)もあの夏の大越監督と同じように1人で全試合を投げ抜いて決勝までたどり着いた。投球数は700球を超える。監督という立場では吉田をどう見ているか、聞いてみた。「吉田君はもともと体つきもごついし、体力もあるように見えます。本人もやってやろうと思っているだろうし、明日も投げられると思いますよ」と決勝でも連投にOKを出せるとの考えだ。

 あの夏「竹田(利秋)先生から『明日もおまえだ』と言われて」帝京(東東京)との決勝で先発した大越監督。体は限界に近かった。「でもね、決勝のマウンドの景色って人生の大きな財産になっているんです。投げられない状況で投げられた。あの決勝の景色、感覚が、年がたつにつれどんどん財産になっていったんです」。0-0の延長10回に2点を取られて力尽きた最後の試合をそう振り返る。

 金足農は21日の決勝で「最強世代」といわれる大阪桐蔭(北大阪)と対戦する。「吉田君は甲子園の決勝という夢舞台で、大阪桐蔭とやれる幸せをもって投げると思う」と大越監督は自身の思い出と重ねた。東北の悲願を背負うエース吉田は、29年前のエースと同じマウンドでどんな風景を見るだろうか。

西日本スポーツ

最終更新:8/20(月) 17:05
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