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商業施設クレオ、休館半年 つくばの“顔”再生難航

8/21(火) 9:43配信

茨城新聞クロスアイ

つくばエクスプレス(TX)つくば駅前の商業施設クレオが休館状態となり、半年が過ぎた。所有する第三セクター・筑波都市整備(石原孝社長)がテナント探しに奔走するが、難航を余儀なくされている。つくば市はクレオの一部に公共施設導入を検討し、コンセプトの立案や事業収支の試算などを進めている。商業中心地が研究学園駅周辺や郊外に移り、人の流れが大きく変わる中、“つくばの顔”は果たして再生できるのか。 (土浦・つくば支社、高阿田総司)

■「売却も検討」
「これだけ長期間、決まっていない。後継テナントに入ってもらう方向で交渉しているが、(土地建物の)売却を検討しているのも事実」。筑波都市整備の担当者は力なく語った。

クレオは1985年に核テナントの西武筑波店が開業、研究学園都市のにぎわいの中心として市民に長年親しまれてきた。しかし、業績不振で2017年2月に西武が撤退。もう一つの基幹店イオンつくば駅前店も今年1月末に閉店した。

同社は一棟貸しを念頭に「ほぼ全ての百貨店と交渉を重ねた」(担当者)が、不調に終わっている。

背景には、全国的な百貨店業界の業績低迷や、市内の商業中心地が研究学園駅周辺に移行したことなどが挙がる。05年のTX開業と前後し、周辺に郊外型ショッピングモールが台頭、人の流れは変わった。

フロア貸しも決まらない要因について、同社は「建物の規模が大きい。全体が埋まらない」と話す。地上6階建て、売り場面積約3万5千平方メートルを誇る大型店舗が今では不利に働いている。

■公共施設を導入
同市の五十嵐立青市長は昨年12月、定例市議会の一般質問で「クレオの一部に公共施設導入を検討している」と答弁した。中心市街地の空洞化は、行政としても見過ごせない問題。「クレオが売却された際の影響を考え、あらゆる選択肢について検討を進めている」(五十嵐市長)とした。

市は現在、民間調査会社に委託し、今後のクレオの望ましいコンセプトの検討や、施設を賃借・購入した場合の事業収支、改修プランや改修費用の試算などを進めている。

一般市民からも▽クレオ跡地に望む施設▽市の関与について▽クレオ再生に関する自由意見-などを、15日まで市ホームページで公募した。今後、集約して結果を公表するとともに、市が関与するか否かの判断の参考にする方針だ。

■先導役見えず
同市は1日、中心市街地の将来像やコンセプトを示した「つくば中心市街地まちづくりヴィジョン」を発表した。今後、つくば駅周辺の公務員宿舎の処分も進む中、クレオ跡地をどう有効活用するか、避けては通れない難題だ。

土浦市役所がJR土浦駅前の再開発ビルに移転する際、市の諮問機関・市庁舎建設審議会の会長を務めた筑波大の大沢義明教授(社会工学)は、クレオ再生について「時代の流れを変えることはできない。昔のにぎわいも期待できない。現実を受け入れ、『できることは何か』を考えるべき」と指摘する。

「粘り強く後継テナントを探す」とする筑波都市整備と、「あらゆる選択肢を検討中」のつくば市。現時点で、クレオ再生を強力にけん引する先導役は見えていない。テナント探しや売却の動きに急展開はあるのか、市はいつ、どのような形で関与に踏み切るのかが当面の焦点となりそうだ。

茨城新聞社