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“アディダス危機”乗り越え絶好調! 大谷が契約する『デサント』 品質支えるモノづくりへの誇り

8/26(日) 14:10配信

関西テレビ

ロサンゼルス・エンゼルスでメジャーリーグ1年目とは思えない活躍を見せる大谷翔平選手。

練習中に着ているウェアをよく見てみると、見たことのあるマークが…。大谷選手とウェアの契約を結んでいる『デサント』です!

その契約選手は野球だけにとどまらず、ソフトボールの上野由岐子選手など、様々な競技にわたります。

京都・中京区にあるスポーツ館ミツハシでは、大谷選手と契約を結んだ4年前と比べてデサント商品の売り上げは2倍近くに!

スポーツウェアだけでなく、カジュアルウェアの売り上げも伸びているんです。

男性客:
「大谷が着てるんやったら、いいんかなって」

別の男性客:
「『Move Sport』の文字が好きで、普通に着られている方も多いと思いますね」

店長:
「高機能であるがゆえに、実際履いてみて、触ってみて、着てみて、より実感がしてもらいやすいということで、それがお客様に非常に響いてると思います」

その効果もあって、デサントの売り上げは、ここ10年間で770億円からおよそ1400億円に大幅アップ。人気の秘密と、商品開発の裏側に迫りました!

■投資額35億円!新たな商品開発拠点

取材班が訪ねたのは、7月、大阪府茨木市に出来たばかりの商品開発拠点『DISC』(デサント・イノベーション・スタジオ・コンプレックス)。

敷地面積は4400平方メートル。投資金額は35億円にものぼります!

この巨大施設でどんなことをしているのか…?案内してくれるのは、デサントの坪内敬治さん。ウェアなどの研究を指揮する最高責任者です。

まず坪内さんが見せてくれたのは、不思議な機械が置いてある部屋。

横向きの筒が軸を中心にクルクルと回っていて、その上では鎖でつながれた鉄球が踊るようにして動いています。鉄球からは太い釘のような金属が何本も突き出ていますが…。

デサント・坪内敬治部長:
「筒に生地を巻き付けて、その生地を鉄球で引っかけています」

生地には鉄球がかなり引っかかっているものの、穴は開いていません。

この部屋では生地の耐久性などを厳しくチェック。デサントは、独自に商品の品質基準を定めていて、その基準自体も日々改善を重ねていると言います。

坪内部長:
「お客さまからは色々な意見を頂きますので、基準は一定じゃなくて、世の中のニーズに従って変えていきます。それが一番大変な作業ですね」

■「会社つぶれるんじゃ…」訪れた危機

これほどまでに、品質にこだわるようになったのにはワケがあります。

1935年に大阪市で創業し、プロ野球チームやJリーグのクラブのユニフォームを手がけるなど、スポーツウェアのトップメーカーになったデサント。

さらに、アディダスやフィラなど海外メーカーの商品を日本で販売し、売り上げが1100億円を超えるほどに大きく業績を伸ばしました。

しかし、順調だった経営を揺るがす出来事が…。

デサント・杉浦剛マネージャー
「アディダスが1998年に撤退したんですけど、会社がつぶれるんじゃないかって…」

28年間契約を結んでいたアディダスから、突然契約を打ち切られたのです。その結果、デサントは売り上げのおよそ4割を失ってしまいました。

大黒柱を失い、取り組んだのは“デサントの自社商品”をどう売り出していくか。力を入れたのは、とにかく品質と機能にこだわることでした。

杉浦マネージャー:
「日本全体がデフレというか不景気のさなかだったので、この価格でしかできないから、この程度の品質しかできないっていう…。でもうちはモノづくりに誇りを持ってる会社だよねということで、じゃあ価格を気にしないでやってみようじゃないかと」

■選手のための最善の商品を一般向けに

原点である商品の品質を突き詰めた末に、業績は回復。さらに良いモノを作るために誕生したのが、この商品開発拠点『DISC』なのです。

なんと施設の内部には、陸上競技のトラックが!

レーンの1つはリオデジャネイロオリンピックで使われたものと同じ。周りにはカメラとセンサーが取り付けられていて、ここで競技を行うことで、体のどこに力がかかっているかを見ることができ、それをウェアやシューズなどの開発に役立てています。

坪内部長:
「やっぱり生地とかウェア単体で計っても、スポーツでどれだけ機能しているのか分からないんです。例えば疲労する前と後で何が変わっているのかを見たり、パフォーマンスの高い選手と初心者の違いを見たりと」

多くの選手のデータをとり、実験を繰り返すことで、様々なニーズに応える商品を生み出すことが出来るのです。

続いて取材班が向かったのは「人工降雨室」。

主にウェアの撥水性や防水性をチェックしていて、スポーツウェア以外の開発にも使われます。

また、最近はクーリングウェアなどの暑さ対策商品が特に売れていて、その開発に役立っているのが、なんと「汗をかくマネキン」!

頭や胴体は汗の量が多いなど、人間の汗のかき方を再現し、実験を行っています。

さらに「人工気象室」という部屋では、室温を60度からマイナス30度までコントロールすることが可能。

坪内部長:
「こういう環境でウェアがどうなっているかとか、保温性がどうかとか、選手のパフォーマンスがどう変わるかなどを測定できる環境を作る空間になっています」

例えば、マイナス20度の人工気象室の中で取材班がお借りしたダウンジャケットも、保温性や防水性を高めるために、様々な実験を重ねて開発されたもの。

元々はバンクーバーオリンピックの日本代表選手が着ていたダウンジャケットを一般用に発売し、大ヒット!毎年売り上げが伸びていて、売り切れが続出するほどの人気をみせています。

トップアスリートも満足させた機能性を一般向けに落とし込むことで、より高い品質の商品を作ることができるのです。

3年前からはスポーツ以外の分野でも売り上げを伸ばそうと、カジュアルウェアの専門店も設立。

その売り上げは1年目と比べ、3.5倍以上と右肩上がり。シンプルなデザインと高い品質が消費者に受け入れられています。

男性客:
「おしゃれですよね、自分も好きです。スポーツブランドだと思ってたんで、普段着るとは思ってなかったですけど、今はしょっちゅう着てます」

坪内部長:
「選手が最大限のパフォーマンスを発揮してくれるように最善の商品を提供するということが我々のミッションだし、そういった本物感というのを感じていただいて、一般のお客様もデサントの商品を愛していただけたらと思っております」

スポーツ用品からカジュアルウェアにまで裾野を広げたデサント。その裏側には、徹底したモノづくりへのこだわりがありました。


(関西テレビ8月21日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

最終更新:8/26(日) 14:10
関西テレビ