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「負けたら怒られる」マラソンV井上の脳裏に浮かんだ先輩の姿/アジア大会

8/26(日) 11:51配信

西日本スポーツ

 ◆アジア大会 陸上男子マラソン(25日・ジャカルタ)

 真夏の死闘を制し、両腕を何度も突き上げた。日本男子として32年ぶりの金メダル。自身5回目のマラソン挑戦で初優勝を果たした井上大仁(MHPS)は「今まで何度もチャンスを逃してきた。きょうはどうしても勝たなければいけなかった」と解放感から笑みをこぼした。

 37キロすぎからエルアバシ(バーレーン)とのマッチレース。トラック勝負になり、井上の脳裏には前回の仁川大会で1秒差の銀メダルに泣いたMHPSの先輩、松村康平の姿が浮かんだ。「負けたら先輩に怒られる。最後は、もうない力を引きずり出した」。先輩の無念を晴らすかのように、腕が接触するほど激しいラスト100メートルの直線勝負を制した。

 昨夏の世界選手権では調整段階から虚勢を張ったことが結果に影響した。上半身に力みが出て、本来の走りができずに26位と完敗。今回は同じ“失敗”は許されなかった。「緊張を受け入れ、置かれた状況と向き合うのも平常心と感じた」。自己記録が出場選手中トップと知ると「めちゃくちゃ緊張して。早く終わらないかな(と思っていた)」と言いながらも、正面から重圧と向き合った。レースはスローペースとなったが焦りやいらだつこともなく、狙い通り終盤勝負に持ち込んだ。黒木純監督は「いつも以上に落ち着いていた」と精神面の成長にうなずいた。

 井上は「勝ち方をつかめたのもプラス」と結果だけではない収穫を強調。想定したほどの暑さはなかったが、手に保冷剤を持って走るなど2020年東京五輪を念頭に置いた暑熱対策のテストもできた。来年9月の東京五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ」に向け、得たものは多い。

西日本スポーツ

最終更新:8/26(日) 11:51
西日本スポーツ