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復刻連載「北朝鮮難民」苦難の行軍を再照射する(16) 送還されても後絶たない再脱北

8/31(金) 5:30配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆送還者多すぎて一時処罰が寛大になる

白さんのように、集結所や「コッパック」で死ぬ思いをするほどの処罰を受けたと多数の難民が証言する一方で、一週間ほどの取調べで釈放されたという人もいる。

2001年に入って以降、送還者に対する処罰が若干緩くなったという証言が増えはじめた。食糧を求めて中国に渡河した単純越境者の場合、7~10日間ほどの調査で釈放されるケースもあると、再度中国に脱出してきた人の証言を私は何度か聞いている。

送還された後の処罰は、北朝鮮での地位や職業、家族関係や中国に越境した目的、中国にいた期間などによって異なるのは間違いないようだ。また、国際情勢や南北関係の状況によって厳しくなったり緩やかになったりもしている。2001年6月の金大中―金正日会談の前後は、一時的に処罰が軽くなっていたと多くの難民は語る。



2000年前後から国際社会は北朝鮮の人権状況に厳しい目を向けはじめた。主に支援食糧の配布の不透明さや、政治犯収容所の問題、そして中国から強制送還された難民への過酷な処罰についての批判である。

食糧を求めての単純越境者と判断された場合の処分が緩やかになっているとすれば、それは、間違いなく国際社会からの批判と中国の申し入れの効果だと私はみている。EU諸国が北朝鮮と国交を正常化するにあたって、人権状況の改善を強く申し入れたことは、金正日政権に少なからぬプレッシャーとなったことだろう。

また、北朝鮮難民流入に悩む中国は、越境の防止とともに過酷な処罰の中止を再三申し入れているという。あまりに過酷な処罰が続くなら、難民条約加入国として送還が困難になるという判断だと思われる。

外部の目になかなか確認が困難な、政治犯収容所や支援食糧の他への流用・転用の問題とは異なり、送還者への酷い処罰の問題は生き証人が大勢おり、北朝鮮当局も言い訳や反論が難しいということも作用しているのだろう。
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