ここから本文です

ピンク・フロイドの『おせっかい』は大作と小品が同居した初期の傑作

8/31(金) 18:02配信

OKMusic

60年代後半にはキング・クリムゾン、イエス、エマーソン・レイク&パーマーなど、いくつかのプログレのアーティストが登場し、その多くはクラシックやジャズ等の高度なテクニックを演奏に取り入れていた。そんな中にあって、ピンク・フロイドは牧歌的な雰囲気を重視した独特のサウンドで人気を得たグループである。今回取り上げる『おせっかい(原題:Meddle)』は彼らの6thアルバムで、全英1位となった5thアルバム『原子心母(原題:Atom Heart Mother)』(‘70)と彼らの最高傑作と称される8thアルバム『狂気(原題:The Dark Side Of The Moon)』(’73)の間に挟まれ、あまり脚光を浴びることはないが、本作が一番好きだと言うフロイドファンは少なくない。

狂気の天才シド・バレット

1967年に『夜明けの口笛吹き(原題:The Piper At The Gates Of Dawn)』でデビューしたピンク・フロイドは、シド・バレットのカリスマ的なリーダーシップのもとで、彼の書く曲を中心に据え、当初はサイケデリックなサウンドを展開していた。シドは内向的な性格であったからか、デビュー直後から薬物依存に走り、次第に精神を病んでいく。そのため、ライヴをキャンセルしたりスタジオに現れなかったこともあった。結局、デビュー作をリリースした1年後にはグループを脱退する。

約1年間のブランクの後にソロ活動をスタートし、70年にリリースした『帽子が笑う…不気味に(原題:The Madcap Laughs)』は、ピンク・フロイドやソフト・マシーンの面々をバックに、シドらしい奇妙なサイケデリックロックを披露している。このソロ作を聴くと彼がピンク・フロイドでやりたかったこと(プログレ的なサウンドを持ったアシッドフォークロック)がよく分かる。後にピンク・フロイドを背負って立つロジャー・ウォーターズは、シドの才能への憧れと反発を感じており、そのコンプレックスは逆に長い間彼の創作の助けとなった。

1/3ページ

最終更新:8/31(金) 18:02
OKMusic