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神戸の山に、リアルな海を作った男。日本とアメリカで特許を取得

9/3(月) 7:00配信

Lmaga.jp

人工サーフィンプールのプロジェクト始動から3年、ついに2018年5月に本格的に営業をスタートした「KOBE-REYES(神戸レイーズ)」(神戸市北区)。波を作り出す装置を独自で開発したレスポンスエンジニア代表・押部宣広さんに話を訊いた。

【写真】人工サーフィンプールを生み出した押部さん

押部さんは、スキー&スノボのジャンプの練習施設「KINGS(キングス)」を手掛け、ウィンタースポーツ界では全国的に有名な存在だが、サーフィン施設は初めて。「サーフィンの経験は無かったのですが、「キングス」の成功例もあったので、波の仕組みを数値化することを始めました。いろんな声に惑わされぬように、あえてアドバイスなども聞かずに進めたのがポイントとなりました」と、振り返る。

2016年オープン予定だったが、目指していた胸サイズの波の高さが、膝までだったために延長。以降、試行錯誤を続けてきた。「世界でもいくつかウェイブプールは存在しますが、いわゆる『ランニングマシーン』のような波ではなく、海の波を再現したかった。自然の場合、遥か彼方からやってくるウネリが、浅くなった海底にぶつかり、海面でブレイクする、そんな波を目指しました」と、水槽実験を繰り返して「キャリー式造波装置」というシステムを開発。すでに日本とアメリカで特許を取得している。

このシステムは、プール内に16台の箱形の水搬送器を配置し、前方に勢いよく水を押し出し、一瞬引いて振幅させ、プール底に作った三角形状の人工リーフに当てることで、左右に均等に割れていく「Aフレーム」と呼ばれるサーフィンに理想的な波を実現可能に。既存の水中に機械を配置するウェイブプールと異なるため、故障した時のメンテナンスも楽で、建設費用的にもかなり安価なのだそう。

現在は、調整すればいろんな高さが実現できるようになったが、初心者でも乗りやすい胸サイズの波に設定。押部さん自身も実験兼ねて、練習し続けて、立派なサーファーとなっている。ちなみに現在の施設はあくまでも「デモ機」という位置づけだそうで、テストを繰り返しながら、ブラッシュアップ中。

今後は、ウェイブプール付きのホテルなど、すでにさまざまな新しいプロジェクトが動き始めているのだとか。サーフィンは、2020年の東京オリンピックにも正式競技に選ばれ、注目のスポーツ。神戸発のウェイブプールのさらなる展開に期待したい。

取材・文/天見真里子

最終更新:9/3(月) 7:00
Lmaga.jp

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