ここから本文です

豪中銀、オフィシャルキャッシュレートを1.50%に据え置き

9/4(火) 13:45配信

ロイター

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は4日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1.50%に据え置くことを決定した。中銀の金利据え置きは3年目に入ったが、当面は政策の現状維持を示唆しており、出口には近づいていないもようだ。

市場では据え置きが広く予想されていたものの、豪ドルの対米ドル相場AUD=D3は豪経済に楽観的なロウ総裁の発言を受けて反発した。

総裁は「2018年上半期に経済成長率はトレンドを上回ったもようだ」と指摘し、「ビジネス環境は良好で、非鉱業投資は増加が予想される」と述べた。

ただ、賃金の伸びとインフレ率が低水準にとどまっているため、中銀は利上げを急いでいない。

ウエストパック銀行WBC.AXが先週、住宅ローン金利を引き上げたことも中銀が警戒を強める要因となった。

トレーダーは他行も追随する可能性があるとみており、そうなれば事実上の引き締めにつながるとの見方から、インターバンク金利先物市場0#YIB:が織り込む利上げ開始時期は2020年前半まで後ずれした。

ただロウ総裁は短い声明で、住宅ローン金利の平均は依然として1年前より低いと指摘したが、ウエストパックの動きには言及しなかった。

総裁はまた、住宅市況の鎮静化に満足しているもようで、依然として信用度の高い借り手を巡る競争がみられるとの見方を示した。

求人情報サイト、インディードのアジア太平洋担当エコノミスト、カラム・ピッカリング氏は「豪中銀はもともと慎重で、リスクを取ることに消極的だ。現在の環境ではそれが健全な対応だ」と述べた。

同氏はウエストパックの住宅ローン金利引き上げが中銀の据え置きの一因になったとみており、「経済が好調であったとしても、市中の銀行が代わりに引き上げてくれるなら、中銀がわざわざ利上げする必要があるだろうか」と語った。

5日に発表される第2・四半期の豪国内総生産(GDP)は、27年連続でリセッション(景気後退)なしの成長が続いていることを示す見通し。きょう発表された経済指標も、そうした見方を裏付ける内容だった。

GDPのほぼ4分の1を占める政府支出は第2・四半期に前期比1%増加。純輸出もGDPを約0.1%ポイント押し上げる可能性がある。

ロイターが集計したGDP伸び率のアナリスト16人の予想中央値は前期比0.7%。第1・四半期は1.0%だった。

前年比の伸び率は2.8%に鈍化する見込み。第1・四半期は3.1%と、予想外に好調だった。

豪中銀は引き続き、インフレ支出がけん引役となり、今年と来年のGDP伸び率が平均で3%をやや上回ると予想している。

ただ世界的な貿易戦争への懸念や新興国市場の動揺も、今後長期にわたって金利が据え置かれるとの観測を強める要因となっている。

キャピタル・エコノミクスの主任エコノミスト、ポール・デールズ氏は「信用市場タイト化や住宅価格の下落、世界環境悪化の全面的な影響はまだ出ておらず、成長率の加速は夢物語に思える」と述べ、「そうであれば、賃金と基調インフレは、中銀の望み通りには伸びていきそうにない。来年末以前に中銀が利上げを正当化するのは難しいだろう」との考えを示した。

*内容を追加しました。

最終更新:9/4(火) 16:36
ロイター