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「坂の上の雲」にも出身軍人 軍都”篠山”の史実を本に/兵庫・篠山市

9/4(火) 15:00配信

丹波新聞

 司馬遼太郎の名作「坂の上の雲」に登場する3人の人物。本郷房太郎、石橋健蔵、古川岩太郎―。いずれも現・兵庫県篠山市出身の軍人だ。作中、秋山兄弟の兄、好古が、「ひどい山奥からきたものだ」と評した同市はかつて、”軍都”として栄えた。その史実を、同市出身の山口博美さん(84)=東京都=が、丹念な調査・研究で解き明かし、『篠山近代、軍人の系譜』と題した本にまとめた。

 「郷友将校の流れ」との章は、昭和10年(1935)に篠山の鳳鳴中学校(現・篠山鳳鳴高校)に赴任した阪部由松氏が、「篠山出身将校だけで四個師団が編制できると聞いていた」などと、当時の篠山について書き残した文章から書き起こした。

 阪部氏の言葉の裏付けとして同年の「多紀(現・篠山市)将校会名簿」も掲載し、現役の陸軍大将をはじめ、多数の海軍中将、陸軍少将、陸海の大佐、中佐、少佐などが在籍していることも示している。

 また、同校の校祖でもあり、旧篠山藩公の青山忠誠が自ら率先して軍人となったことなどが、篠山から多くの軍人を輩出するきっかけになったこと、750人の会員がいた大正14年(1925)の郷友会には、104人の陸海軍将校がいたほか、22人の帝国大学生がおり、文武両道の気風を物語っていること、多紀将校会から鳳鳴中学校の生徒に対し「鳳鳴健児に告ぐ」と題して、軍学校進学者が少ないことを憂い、奮起を促す文書が送られたことなどを記した。

 このほか、近畿出身の大将第1号となった本郷房太郎や、満州事変時の関東軍司令官である本庄繁など、篠山出身40人の将官のプロフィール、篠山練兵場の歴史、「坂の上の雲」の中で篠山の3人がどのように登場していたかなどを載せている。

 山口さんは、「関心のある人や、調べている人のお役に立てればと思う」と話している。

最終更新:9/4(火) 15:00
丹波新聞