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【信州総文祭】写真部門の文化庁長官賞 母と亡き父の日常、ありのままに

9/4(火) 17:06配信

高校生新聞オンライン

 8月7日から開催中の第 42回全国高校総合文化祭(2018信州総文祭)の写真部門で、松田朋子さん(三重・皇學館高校写真部部長3年)が最優秀賞と文化庁長官賞に決まった。作品「夏の夜」は、夕食後の父母の一コマを撮影した。(文・写真 野村麻里子)

夕食後の「いつもの風景」を撮った

 昨年の7月末、夕食後にテレビを見る父と母の姿を銀塩カメラで撮影した。「本当に、ただただ日常の写真を撮ったという感じで。全然何も考えていなくって(笑)。いつも見ている光景を撮りました」

 審査員は「ありのままを捉えるのはドキュメンタリーの基本。本質を見せようという作品に久しぶりに出会えた気がする」と高く評価した。

撮影後、急逝した父「思い出を作ることができた」

 入賞したことを知り、母に「鳥肌が立った」と言われた。「実は……」と、昨年8月、父が急に亡くなったことを明かしてくれた。「(母は)お父さんがくれた賞なのかなと言っていました。親戚も、みな喜んでくれて。写真部に入っていなかったら、全然(父の)写真を撮っていなかった。思い出を作ることができたなと思います」

現像が要る銀塩カメラ「一枚の重みがある」

 写真部に入部してから、中古でカメラを入手した。銀塩カメラはデジタルカメラと違い、薬品を使って暗室で現像する必要がある。「デジタルカメラは撮ってすぐ確認できるけれど、銀塩カメラは36枚撮りのフィルムを使い切って暗室で作業を終えて、光を当てても大丈夫なくらいにして、やっと見ることができます。一枚一枚の重みが違います」

いっぱい撮ることが大事

 上達のコツは「白黒写真ならば人物を撮ること」。白黒だと特に光のコントラストが肝心なので、人物のほうが表現するのに適しているのだという。「人を撮るとその人との信頼関係が築ける。私は良く母を撮っているのですが、初めは恥ずかしがっていましたが今は『どんどん撮って』と言ってくれています。するとよい表情を出してくれるようになる。そして、いっぱい撮ることが(上達には)一番です!」

高校生新聞社