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文在寅政府のパラダイム転換、所得主導成長から「包容国家」へ

9/4(火) 18:01配信

ハンギョレ新聞

6日、大統領主宰の「包容国家戦略会議」が開かれ 社会政策議題としての最初の戦略会議  大統領が3日、初めて「包容国家」を言及

 文在寅(ムン・ジェイン)政府が「革新的包容国家」を社会政策分野のビジョンとして提示する。このような下絵に沿って政府各省庁は社会政策課題の優先順位を新たに整える予定だ。

 3日、政府関係者の説明を総合すると、大統領府は6日、文在寅大統領と李洛淵(イ・ナギョン)首相、9省庁の長官、共に民主党の指導部などが出席する中で開かれる「包容国家戦略会議」で、政府の社会政策ビジョンと戦略を公開する。包容国家戦略会議は、財政の運用方向を定める国家財政戦略会議のように、政府の社会政策の中長期ビジョンや運営戦略を議論する場だ。政府が経済政策ではなく社会政策戦略会議を開くのは初めてで、国民に「包容国家」をもっと分かりやすく伝えるという趣旨で、この日の会議の前半部分を生放送で放送する計画だ。政府関係者は「大統領と各省庁の長官ら100人余りが参加して『包容国家』のビジョンを共有し、国民に知らせる予定」と話した。

 文大統領は3日、基礎年金の引き上げなど政府の福祉政策に言及し、初めて「包容国家政策」を口にした。文大統領はこの日、大統領府が主宰した首席・補佐官会議で「今月から高齢者のための基礎年金と障害者のための障害者年金額を引き上げ、児童手当てを新たに支給する」とし、「国民の暮らしに責任を持つ包容国家政策が実行される」と説明した。文大統領が「包容的成長」、「包容的福祉」という言及を行ったことはあるが、「包容国家」という概念を使用したのは今回が初めてだ。政権2年目を迎えて、国家の「志向点」を提示したものだと解釈される。

 包容国家戦略会議の発足は、年初から予告されていた。政府内外では少子高齢化、不平等、働き口の減少などの問題が深刻になり、社会政策パラダイムの転換が必要だという共感が形成されており、これに大統領府は大統領直属の政策企画委員会(委員長チョン・ヘグ)に任せて3月から関連研究を進めてきた。この過程で当初「社会政策戦略会議」だった会議の名称は最近、包容国家戦略会議に変わった。政策企画委員会包容社会分科委員長のキム・ヨンミョン中央大学教授(社会福祉学)を含めて韓国労働研究院・韓国保健社会研究院など、国策研究機関の研究員8人が参加し、基礎年金・国民年金など所得保障制度▽雇用セーフティネット▽少子高齢化対策などの分野をくまなく見直した。

 6日に提示される革新的包容国家というビジョンは、文在寅政府が昨年打ち出した5大国政目標の一つである「皆が享受する包容的福祉国家」を拡張した概念だ。当時、政府は国民の基本生活を保障するカスタマイズ社会保障、健康保険の保障性強化、高齢社会に備えた老後の生活保障を包容的福祉国家の課題に掲げている。

 別の政府関係者は「政府が所得主導成長という『成長論』から『包容的福祉』へとパラダイムの軸足を移していくという意味がある」と伝えた。これまで、文在寅政府は経済政策に比べて社会政策全般を見据えた「大きな絵」を強調しなかった。所得主導の成長から「最低賃金引き上げ」という懸案だけが浮き彫りにされたまま、社会セーフティネットの強化・所得分配改善などの社会政策制度が大きく目立って見えなかったのが代表的だ。政府は今回、革新的包容国家という新しいビジョンを提示することにより、所得主導成長・革新成長・公正経済という経済政策分野の3つの車輪と包容的・革新的社会政策を融合させていくという構想を持っている。

 このようなビジョンを具体化するため、国民が享受しなければならない基本的な暮らしがどの水準で保障されるべきかなどを政策目標として提示する案が話し合われている。政府は包容国家戦略会議を随時開き、社会政策課題の優先順位を調整する一方、社会政策の領域で具体的な課題を点検するために汎政府レベルの推進団を設置することを検討中だ。

ファン・イェラン、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:9/4(火) 18:01
ハンギョレ新聞

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