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自己治癒型アスファルト、来春市場へ 苫小牧の會澤高圧コンクリート

9/4(火) 16:30配信

苫小牧民報

 コンクリート製品製造の會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市、會澤祥弘社長)は、道路のアスファルト舗装のひび割れを自己治癒力で修復する画期的な技術の導入を計画している。オランダのデルフト工科大学が開発した新技術で、試験施工で国内の環境に合うよう改良を重ね、来年春に市場への投入を目指している。

 アスファルト道路は一般的に、路面の表層部分とその下の基層部分に、砂利など骨材とアスファルトの混合物で舗装する。時間の経過に伴って舗装材が収縮し、通行車両の荷重や紫外線など外部環境の影響でひび割れが発生、その対策が課題となっている。

 自己治癒型アスファルトの技術は、特殊加工の液状アスファルト材を注入した再活性カプセル(直径1~2ミリ)をあらかじめアスファルトに混入。舗装後、ひび割れが発生すると、カプセルが割れてアスファルト材が染み出し、自動的にひびを修復するという仕組みだ。

 また、アスファルトに繊維状の鋼材スチールファイバーを配合。4年に1回程度、車両けん引型の電磁誘導装置「インダクションビークル」を走行させ、舗装内に熱を通す。そうした作業により、舗装材に混入したスチールファイバーに過電流が流れて路面を融解させ、新品に近い状態を取り戻す。スチールファイバーは骨材の沈み込みを防ぐ役割もあり、わだち掘れを抑制する効果も期待されるという。

 同社は、デルフト工科大のエリック・シュランゲン教授の自己治癒型アスファルトの研究を知り、その技術を実用化している同大発ベンチャー企業エピオン・アスファルトB.V.(本社デルフト市)と交渉。7月に製造販売のライセンス契約を結び、市場への投入に向けて近く事業会社「Epion Japan(エピオンジャパン)」(仮称)を立ち上げる方針だ。

 道路整備に自己治癒型アスファルトを採用した際の初期コストは、一般的な舗装に比べ、25%ほど高くなる想定だが、同社は「オランダでも実験では新技術舗装の寿命が一般的なアスファルトに比べ最大2倍まで伸ばせるという結果が出ている。道路のメンテナンス周期が延びるため、コスト抑制につながる」と普及へ意気込む。

 今後、試験施工を繰り返して日本の気象条件に合うよう技術改良を進めるほか、インダクションビークルの開発に取り組む。同社のアイザワ技術研究所の青木涼所長は「道路維持の予防保全にマッチしている工法なので、今後、道路管理者へ新技術を提案していきたい」と話す。

苫小牧民報

最終更新:9/4(火) 16:30
苫小牧民報