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高級車に浸透「マイルドHV」 環境性能こだわる富裕層開拓へ

9/7(金) 7:15配信

SankeiBiz

 国内高級車市場で、モーターでエンジン走行を補助する「マイルドハイブリッドシステム」が広がり始めた。メルセデス・ベンツ日本(東京都品川区)は6日、高性能モデル「AMG」として初めて同システムを搭載したハイブリッド車(HV)の注文受け付けを開始。アウディジャパン(同品川区)も旗艦セダンにHVを設定した。走りと環境性能にこだわる富裕層の開拓につなげる狙い。

 メルセデス・ベンツ日本が6日発表した「メルセデスAMG53シリーズ」は、排気量3リットルの新型エンジンに電圧48ボルトのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたことが特徴。モーターが低速時や加速時に補助し、滑らかで力強い走りが楽しめる。希望小売価格はセダンが1202万円で、クーペやオープンカーなども順次納車する。

 同社は3月、最上級セダン「Sクラス」でHVを発売したのを皮切りにHVの車種を増やしてきた。東京都内で同日開いた発表会で上野金太郎社長は「走りの力強さと快適性、環境性能などのすべてをハイレベルで両立させた」と強調した。

 アウディジャパンの鼻息も荒い。6日発売の新型4ドアクーペ「A7スポーツバック」に続いて、来月15日に投入する旗艦セダン「A8」にもマイルドハイブリッドシステムの搭載車を設定する。同社マーケティング本部の石田英明部長も「顧客層は力強い走りを求める層とそれ以外も重視する層に2極化している」と指摘。両方のニーズに応えて、今後とも高出力エンジン車にHVを展開する方針だ。

 両社のHV戦略は、欧州を中心に広がる環境規制強化の流れに対応する電動車戦略の一環だが、それだけではない。トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」がHVを武器に先行開拓する国内市場の商機を取り込みたいとの思惑もあるようだ。レクサスは今年1~8月の累計で前年同期比45%増の3万9613台の販売を達成。このうち約6割がHVだ。今秋以降も、中型セダンと小型スポーツ用多目的車(SUV)の新型HVを投入するという。

 富士経済によると、マイルドタイプのHVの世界市場は今年3万5000台に達し、2021年には約8倍の25万台まで拡大する見通しで、メーカー間の競争は激化しそうだ。(臼井慎太郎)

最終更新:9/7(金) 7:15
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