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銭湯で育った「番頭ネコ」 お湯も水も人もへっちゃら

9/6(木) 15:30配信

sippo

 喜楽湯(埼玉県川口市)は1950年代から続く銭湯だ。今も井戸水を薪の火で沸かす。この古き良き憩いの場を切り盛りしているのが、京都府出身のバンドミュージシャン・中橋悠祐さん(31)と静岡県出身のお笑い芸人・湊研雄さん(25)。異色の顔ぶれだが、株式会社東京銭湯のスタッフだ。

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「東京銭湯は元は街の銭湯を紹介するWebメディアだったんです。それが、ここのオーナーから若い人に引き継いでほしい、と申し出があって」

 銭湯好きという以外、何の接点もなかった2人が住み込みで働くようになったのが昨年4月。タタミはその夏にやってきた。

「銭湯にネコっていいやん、てことになって、保健所にもらいに行こうとしたその日に、お向かいの畳屋さんから『野良ネコが子どもを産んだ』って話が来た」

 母ネコに置いていかれた子ネコは生後3日。まだ目も開いていなかった。

「ネコ好きのお客さんから、ミルクの与え方やら排泄のさせ方やら、手取り足取り教えてもらいました」

 手厚い育児のおかげで、すくすくと成長。去勢手術もワクチン接種も万全だ。銭湯育ちのせいか、水もお湯も嫌がらないし、人慣れしていて爪も立てない。

「男女を問わず、外を歩く人にまで人気です」。人たらしもソツがない。

愛されすぎて弊害も

 実は今年秋、タタミが4日間ほど帰ってこない事件があった。あわててツイッターで拡散したところ、少し離れたマンションにいるという情報が入った。推測でしかないが、ネコの足で移動するには遠いことから、連れ去られた可能性もあるという。

「首にタグ(下駄箱のカギ!)はつけましたが、もうちょっと考えないと。あまりにも警戒心がない子に育っちゃったんで」

 それでも2人と1匹の努力のかいあって、喜楽湯のお客さんは順調に増加中。10代、20代の人も来るようになった。

「タタミのお得意さんもいるんです。僕らよりよっぽど『持ってる』番頭ですよ」

(「NyAERA」から)

sippo(朝日新聞社)

最終更新:9/6(木) 15:30
sippo

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