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「転職バブルは人材業界のマーケティング」本当に転職すべき層は2割ほど――何を変えたいのかを明確に

9/7(金) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「転職バブル」と言われる。日本経済新聞(2018年8月7日付)によると、大手転職サイトの中には入社1カ月以内のサイト登録者数が10年間で約30倍に増えたところもあるという。

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かつては『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(2006年、城繁幸著)がベストセラーになるなど、早期退職者の増加が問題視されたものだが、いまやいつ退職してもすぐに転職先が見つかるという「売り手市場」ぶりだ。

アベノミクスのおかげで失業率は過去最低水準、若者には圧倒的な職業選択の自由が与えられ、失われた20年はついに終わりを告げた……と手放しで喜んでいいのだろうか。

「第二新卒」と呼ばれる早期退職者たちの再就職支援を長く手がけてきたUZUZ(ウズウズ)の川畑翔太郎氏は、現状に疑問を投げかける。若い求職者たちが殺到する同社のオフィスで話を聞いた。

「転職によって失われるもの」を見落としがち

「よく考えずに転職しようとする人」が相変わらずとても多いと感じます。

早期退職者の方々から相談をいただく時、どうしても今の職場の人が悪い、環境が悪いという転職理由が多いのですが、それは一過性の感情からくる印象ではないか、それだけの理由だと別の会社に移ってもまた同じことが繰り返されるのではないか、そう思えるケースが少なくありません。

自らの落ち度、弱点にフタをして、環境さえ変われば何かが変わると転職しても、何も変わりはしません。自分に問題点がないかしっかり把握した上で、問題を修正するために環境をがらりと変えるのがどう考えてもプラスだというのであれば、もちろん転職もアリでしょう。その時でも、環境を変えることに伴うリスクは甚大だということを忘れてはなりません。

よく考えずに転職するというのは、転職によって得られるものだけを見てしまって、失われるものを考慮していないという意味でもあります。

人間関係、年収、ステータス、場合によっては仕事内容も……働く環境を「全とっかえ」するのが転職の本質なので、かなりのリスクを伴うことは明白です。転職活動においてはもちろんですが、転職後の環境に慣れる際にも心身ともにエネルギーを要します。

逆に、もし転職によって得られるものが一つだけの場合、本当に転職する必要があるのか、一度冷静に考えたほうがいい。例えば、年収だけが不満なら、転職せずに年収を上げる方法があるかもしれません。昨今では複業という手段もあります。

転職によって何を変えたいのかを明確にし、変えるべきところだけ変えるようにしないと、結局は失われるものの方が多くなってしまいます。

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最終更新:9/21(金) 12:18
BUSINESS INSIDER JAPAN

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