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計画停電は「劇薬」 綱渡りの復旧プラン、節電促す

9/8(土) 5:15配信

朝日新聞デジタル

 政府と北海道電力が計画停電の検討に入ったのは、復旧のプランが綱渡りなためだ。

 世耕弘成経産相は7日夕、「すべての道民に電気がしっかり行き渡るようにしたい」と発言。そのために「計画停電などあらゆる手段の準備を進めたい」と語った。

 経産省などによると、企業活動で電力消費が増える週明けの10日以降、電力需給の余裕が1%を切る見通しになった場合に計画停電に踏み切る。

 道内を60のグループに分割し、1回2時間、その地域の電気を止める。対象地域にいる人には前日夕方以降の複数回、携帯電話へのメールなどで知らせる。

 約380万キロワットの需要のピークに対し、20万~40万キロワットの供給が不足する可能性があるためだ。1千万キロワット程度の供給が不足した東日本大震災後の計画停電と比べると規模は小さく、1回の停電の長さも半分だ。

 それでも計画停電は「劇薬」。世耕経産相も「我々も発動したくはない」と付け加える。綱渡りの電力需給が続くなか、道民の危機感を高め、復旧地域での節電をより促す狙いがありそうだ。

 6日未明の地震で起きた発電所の一斉停止の爪痕はそれだけ深刻とも言える。

 北電は7日も火力発電所などの再稼働を急ぎ、本州からの電力融通や発電設備を持つ道内企業からの電力の買い取りも拡大。経産省によると、7日中に直近のピーク時電力の8割超に当たる320万キロワットの供給力を確保し、8日中までに9割超の最大360万キロワットまで積み上げられるという。

 経産省は震源地に近く、送配電設備の被害が大きい地域の約1万戸を除き、道内全域で復旧する見通しが立ったとする。

 それでも、需給の心配がなくなる完全復旧には、停電の発端になった北電最大の火力発電所、苫東厚真(とまとうあつま)発電所(北海道厚真町、165万キロワット)の再稼働が必要。タービンやボイラーが壊れ、再稼働には1週間以上かかる。その見立ては経産省も北電も変えていない。

朝日新聞社