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「帰還権」って何? =パレスチナ難民の悲願

9/8(土) 7:30配信

時事通信

 1948年のイスラエル建国で家を追われたパレスチナ難民にとって、故郷への帰還は長年の悲願だ。しかし、イスラエルは難民が領内に戻るのを拒絶しており、「帰還権」をめぐる問題が解決する見通しは立っていない。

 ―帰還権の根拠は。

 国連総会は48年、パレスチナ難民をめぐり「帰還を希望する難民は可能な限り速やかに帰還を許す。望まない難民には損失に対する補償を行う」とする決議194号を可決した。パレスチナ解放機構(PLO)は決議を根拠に帰還権を認めるよう求めている。翌49年には難民を支援する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が設置された。

 ―難民はどれくらいいるのか。

 UNRWAの支援対象の難民は約530万人に上り、パレスチナ自治区があるヨルダン川西岸やガザのほか、周辺国のヨルダン、レバノン、シリアで暮らしている。PLOはUNRWAに登録されていない人々も含めて約700万人に帰還権があると訴えている。

 UNRWAはパレスチナ難民について「46年6月1日から48年5月15日までパレスチナ(現在のイスラエル)に居住し、48年の紛争でその住居と生活手段を失った人およびその男系子孫」と定義。ただ、実際には67年の第3次中東戦争で発生した難民なども支援を受けている。

 ―イスラエル政府はどう考えているのか。

 領内への帰還は一切認めないという立場だ。難民が戻れば国内のパレスチナ系住民が増え、国是である「ユダヤ人国家」の性格が変質しかねないからだ。国連決議についても帰還の「権利」は認めていないと主張している。周辺国の難民については、自治区への移住ならば容認する可能性はあるとみられている。(エルサレム時事)

最終更新:9/8(土) 7:35
時事通信