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さくらももこさんの命奪った「乳がん」 “アラフィフ世代”はご用心 早期発見なら10年生存率95%

9/8(土) 11:41配信

産経新聞

 漫画やアニメで国民的人気の「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさん(本名非公開)=享年(53)=や、フリーアナウンサーの小林麻央さん=同(34)=ら女性有名人を襲った乳がん。国立がん研究センターによると罹患(りかん)数は日本の女性が患うがんのうちで最も多く、特に40代から急激に増える傾向にあるという。専門家は「早期発見できれば10年生存率は95%」と強調し、年に1度の定期検診を勧めている。(植木裕香子)

■増える乳がん

 今年8月に明らかになった、さくらももこさんの早すぎる死。さくらさんの“分身”でもある小学3年のまる子のエピソードはよく知られているが、さくらさん自身は本名を非公開にするなどベールに包まれ、闘病を知る人も少なかった。それだけに、関係者やファンの間に悲しみや驚きが広がった。

 まる子役を務める声優のTARAKOさんは「早すぎます。今はただ先生の分身でもある小学3年生の子に、嘘のない命を吹き込み続けるしかないです」とコメント。訃報を聞いてJR東京駅の地下の商業施設にある「トーキョーちびまる子ちゃんストア」に足を運んだ川崎市の主婦(27)も「小学生のころ好きだったのでショック。素朴で温かく、3世代でほのぼのとみられる作品ってほかに思い当たらない」と声を落とした。

 さくらさんの命を奪ったのは乳がんだ。乳房の中の乳腺から発生するがんで、進行性を示すステージがあり、進行性乳がんはIII期以上のものを指す。主な治療法は、乳房温存手術と術後の放射線療法からなる乳房温存療法。進行性乳がんは、再発の可能性が増えるなど完治しにくいとされている。

 乳がんをめぐっては昨年6月、フリーアナウンサーの小林麻央さんが34歳で亡くなったのをはじめ、21年7月にはロック歌手の川村カオリさんが38歳で、23年4月には元キャンディーズの田中好子さんが55歳で亡くなっている。

 国立がん研究センターによると、平成25年の乳がん罹患数は約7万7000例で、女性が患うがんの中では3位の胃、2位の大腸を上回る1位となっている。29年は8万9100例にのぼると推計されており、毎年増加する傾向にあるという。

 年代別(25年)では40代が19・7%で、4・7%の30代の約4倍と急増。死者(26年)も20代が18人、30代が288人なのに対し、40代は1188人と大きく跳ね上がる。50代はさらに多く2361人で、さくらさんのようなアラフィフ世代は要注意といえそうだ。

■早期発見で生存率アップ

 乳がんから身を守る対策はあるのか。

 山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏(73)は「若い人は代謝が活発なので進行が早い。さくらさんも小林麻央さんも乳がんが見つかるのが遅かったのかもしれないが、私は、乳がんはしこりができるし、がんの中で最もみつけやすいがんだと思っている。早期に見つかれば10年生存率は95%。定期的な検診を心がけることが重要」と指摘する。

 対策としては(1)年に1度は板状のプレートで乳房を挟み、X線で照射して撮影するマンモグラフィ検査を受診する(2)乳房や脇の下に触れてしこりの硬さや大きさ、形などを自分で触るなどして調査。異常を感じた場合、病院で診察を受けるべきだと訴える。

 そのうえで「乳がんと診断された場合、日本では胸を失うかもしれないとの認識から検査を躊躇(ちゅうちょ)する女性が多く、受診率も8割以上とされる欧米を大幅に下回る半分以下と低い。乳がんになっても、胸を切り取る必要のない治療方法が主流になっていることを知ってほしい。そして積極的に乳がん検査を受けてほしい」と呼びかけた。

最終更新:9/8(土) 11:41
産経新聞