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ジムニーとジムニーシエラは街乗り車としてどうなのか?

9/9(日) 11:04配信

carview!

国民車調査の第2回目は話題のジムニー/シエラ

「新時代の国民車」を探す実地調査企画の第2回目。今回の調査対象は、話題の新型ジムニーおよびジムニーシエラである。

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ジムニーおよびジムニーシエラの詳しいプロフィールや総合的な走行インプレッション、あるいはジムニーの本領である悪路走破性能などについては、ここcarview!でも他の人がすでに山ほど書いているはず。それゆえそこは完全に割愛させていただく。

わたしが問いたいのは「で、ジムニーとジムニーシエラは街乗り車(つまりは国民車)としてどうなのか?」という部分のみだ。

ジムニーを「街乗り用の車として考えてみる」というと、頭の固い一部マニアからは「コイツ、わかってねえな」と失笑されるのかもしれない。が、失礼ながら言わせていただければ、わかってないのは貴殿のほうだ。

街に出たまえ。そして道行く人々の着衣を見てみたまえ。多くの者らがTHE NORTH FACEやPatagonia、mont-bellなどの、都市部での生活には本来まったく不要なスペックを有するアウトドアウェアを、普通の街着として着用しているではないか。

なぜそれらを着用するかといえば、単純に「カッコいいから」だ。

そしてその場合、そのウェアというかそのブランドが備えているスペックは高ければ高いほど、(街では不要なのに)カッコいいとされる。「なんちゃって」ではダメなのだ。

その意味で、世界中の道なき道でリアルに活躍しているスズキ ジムニーを「あえて街で使う」という選択は、決定的に正しいかどうかは知らないが、決定的にカッコいいのである。

ただ問題は、ジムニーがそれ(街乗り車としての使用)に耐えうるのかどうか…という点だ。

軽のジムニーも運転次第では街乗りメインで使えるが…

結論から申し上げて、軽のほうのジムニーには少々きびしい部分がある。

デザインはご覧のとおり、外観もインテリアもウルトラスーパーおしゃれだ。特にメーター付近のデザインなどは高級ミリタリーウォッチとして有名なBell&Rossのベゼルやケースを思わせるものがあり、誇張抜きで「これは今、世界一おしゃれな実用車なのではないか?」と感じたほどだ。

しかし、いざその辺の舗装路を普通の速度で走らせてみると、軽のほうのジムニーからは「こういった道はボクの主戦場じゃないんで、ちょっと乗りづらいでしょ? ホントごめんなさいね」みたいな心の声(?)が聴こえてくる。具体的には、キャビンは常にゆらゆらと微振動に包まれ、最近の乗用車と同じつもりでさほど減速せずにカーブを曲がろうとすると、「おっとっと!」という感じでなかなか曲がってくれないのだ。

もちろんこれは致し方のない話である。

「軽自動車規格」という制約に縛られた狭いトレッド(左右の車輪間の距離)のなかで、ジムニー本来の活躍場所であるオフロードに最適なセッティングを選択したならば、どうしたって舗装路でのアレはアレになるものだ。世の中すべてはトレードオフであり、「あれもこれも」というのは無理なのだ。

だがジムニーは決して「街乗りメインでは絶対に使えない車」ではない。運転の仕方次第では、あるいはドライバーの心持ち次第では、十分「都市生活者にとってのファーストカー」にもなり得るだろう。

もしも軽のほうのジムニーを街乗り車として使うのであれば、うまく使いこなすコツは「これはそういうものだから」と割り切ることだ。

たとえば、最近の乗用車のつもりでほぼノーブレーキでカーブに進入してしまうと大変なことになる。しかし運転の基本通りにフロント荷重にしてやれば(カーブに進入する前にちゃんと減速することで前輪=舵を取る車輪にしっかり荷重をかけること)、きちんと曲がってくれる。それはまるで往年のシトロエン2CVのようだ。

そして走行中は常に感じるゆらゆらとしたキャビンの微妙な揺れについても、もしも貴殿が「ま、乗り物っつーのは本来揺れるものですし」と思うことができるなら、新型ジムニーを街乗りメイン車として導入してもノープロブレムだろう。ちなみに先代と比較して乗り心地は相当良くなっている。端的に言うなら、軽のほうのジムニーは「マニアック」なのだ。

それゆえ、従来型の自動車マニアには十分おすすめできる。が、くれぐれも自動車マニアではない普通のギャルの皆さまは「わー、かわいい~!」というだけの理由でジムニーを選ぶことがないよう、念を押しておきたい。

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最終更新:9/9(日) 11:04
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