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AH-64Eアパッチ:米印の攻撃ヘリの共同作戦が可能となる日

9/9(日) 17:41配信

FNN PRIME

海自「かが」、フィリピン寄港

南シナ海を巡る動きが激しい。9月1日、海上自衛隊の護衛艦「かが(184)」、「すずつき(117)」「いなづま(105)」が南シナ海に面したフィリピンのスービック港に入り、「かが」が、ドゥテルテ大統領を同艦にとって、初の外国元首として迎えた。

【写真】AH-64Eアパッチがインドと共同作戦?

英海軍揚陸艦「アルビオン」航行の自由作戦

9月6日、BBC等、英メディアが一斉に伝えたところでは、中国が、イギリスの軍艦が許可なしに領海に入ったと非難したのに対し、英海軍は「国際法を完全に順守し、航行の自由作戦を遂行した」「揚陸艦アルビオンから200mのところを中国海軍の軍艦が追尾し、中国軍機が、低く飛行した」と伝えた。

揚陸艦アルビオンは、8月に日本を訪問したばかりの英軍艦である。

その一方で、エリザベスII世女王を戴く豪海軍が主催し、同国近海で実施される「カカドゥ2018」演習には、史上初めて、中国海軍が参加している。

初の米印2+2

9月6日、インドのニューデリーでは、史上初の米印外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)が開かれた。この会合では、北朝鮮情勢など、日本としても注目の課題も扱われたようだが、何といっても、注目されたのが、両国が調印した“COMCASA=通信互換性保護協定”だ。

非同盟を外交の基本方針としてきたインドは、従来、旧ソ連/ロシア系の兵器と英仏など、西欧系の兵器を吊りあわせるように導入してきた。ロシアとSu-57ステルス戦闘機も共同開発している。

米印「通信互換性保護協定」がもたらすもの

近年、インドは米国からも、最新鋭の装備の導入を行っている。P-8Iポセイドン哨戒機やC-17輸送機、AH-64Eアパッチ・攻撃ヘリコプター、CH-47大型汎用ヘリコプター、それに、C-130J輸送機などだ。

さらに、F-16戦闘機のインド国内でのライセンス生産の話も進んでいる。NATO諸国では、これらの装備に、暗号化された通信を行う機材、特に、リンク11やリンク16、リンク22等のデータリンクの端末を搭載しているが、インドでは、アメリカから導入したものの、データリンクの端末など、暗号化された通信を行う機材の技術にインドはアクセスできなかったようだ。

P-8Iポセイドンのように、洋上を飛びながら、海上・海中の情報を集め、リアルタイムで伝達することが役目の飛行機や、AH-64Eのように、地上・空中の友軍や友軍機の情報に基づいて戦う航空機にとっては、その航空機に適応した通信機材、データリンクの装置があるかないかで、大きな運用上の違いになるだろう。

今回の米印COMCASA=通信互換性保護協定で、具体的に、どんな『暗号化された通信用機材』にインドがアクセスできるか分からないが、仮に、AH-64EアパッチやP-8Iポセイドン、それにF-16戦闘機が、その本来の能力を十分、発揮できるように、リンク11やリンク16、リンク22もインドに解放されるなら、米印のミリタリー同士の関係は飛躍的に進み、ほぼ同時に物理的・装備的にはインドは、NATO諸国や米軍、それに、ひいてはリンク11やリンク16を使用している海上自衛隊や航空自衛隊とも共同作戦が可能な組織となるかもしれない。

共同作戦を行うには、むろん装備だけでなく、政治の意思が必要だが、いざという場合に、政治上の合意が出来れば、米印、その他の諸国が、共同作戦可能となるなら、南シナ海問題等で、両国と微妙な関係にある中国にとっては、今回の米印COMCASA=通信互換性保護協定と、これに基づき、具体的にどのような通信装置にインドがアクセスできるかは、無視できないところだろう。

だが、この協定に基づいて、米印関係が進むかどうか。インド軍が導入検討中とも伝えられるロシアのS-400地対空ミサイルシステムを本当にインドが導入するなら、米国は、懸念するだろうとも言われており、協定の具体化には、支障がないとは、言い切れない。

フジテレビ・能勢伸之解説委員

最終更新:9/9(日) 20:01
FNN PRIME

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