ここから本文です

【北朝鮮創建70周年パレード】謎のミサイル・システム登場

9/9(日) 19:29配信

FNN PRIME

北朝鮮軍事パレードに、新型自走榴弾砲

9月9日、北朝鮮は創建70周年の軍事パレードを実施した。
多種多様な装備を披露したが、いままで北朝鮮が公開していなかった新装備もみられた。その中で最も大型のものは、恐らく152mm榴弾砲を装備したとみられる新型の自走砲。

【画像】軍事パレードに登場した謎の新兵器

北朝鮮の従前からの自走砲に比べ、大型の砲塔を備えている。有効射程等の詳細は不明だが、敵前方に向かって前進する味方部隊を、後方から支援する装備となるだろう。

突如、出現した謎の自走ミサイル・システム

今回、最大の謎となっているのは、6輪の装甲車の上に、大型の回転ターレットを備え、その屋根の下に、8発分のミサイルのキャニスターが収納されている装備である。

このミサイルが、地対空ミサイルなのか、地対地ミサイルなのかも判然としないが、屋根の下からミサイルのキャニスターが覗くというのは、仰角に制限が掛かるため、対空システムとしては、難しいかもしれない。

複雑な歩兵用携帯火器

北朝鮮は、米国や韓国が装備化を捨てた「擲弾発射機と一体化した自動小銃(OICW)」を持った兵士を今回もパレードに参加させた。

ただ、今回、目立っていたのは、この装備の上に、レンズの付いた装置が装着されていたことだ。この装置は、赤外線/低光量スコープの可能性もあるが、軍事評論家の宇垣大成氏によると、小型のビデオカメラの可能性があるという。

ビデオカメラだった場合、その映像を、兵士の顔面のバイザーに映し出し、兵士は、自分の顔の向きと全く異なる方向にこの銃を向けることができる。つまり、障害物を利用して、兵士は自分の身体を敵の目に晒さずに、武器を敵に向けることができるというわけだ。

こんな複雑な装備を北朝鮮が本当に独自開発し、実用化し、部隊配備をしているなら、驚くべきことかもしれない。

重要な『何が登場しなかったか』

ところで、このようなパレードでは、『何が登場したか』と同じく重要なのが、『何が登場しなかったか』である。

今回、北朝鮮が誇ってきた火星15型や、火星14型のような大陸間弾道ミサイル(ICBM)は勿論、火星12型の様な中距離弾道ミサイル、ノドンや北極星2型の様な準中距離弾道ミサイル、そして、平昌五輪前日のパレードで披露された、ロシアのイスカンデルMに似た短距離弾道ミサイルもカメラの前に姿を見せなかった。

このパレードには、中国共産党の栗戦書・政治局常務委員が参列していたが、北京やそのほかの中国の都市、それに日本を射程内とする準中距離や中距離弾道ミサイルを北朝鮮はパレードに出さなかったことになる。

そして、米国に届く大陸間弾道ミサイルも出さなかった。しかし、ソウルを射程内とする巨大なコックサン自走砲や、300mm多連装ロケット砲KN-09は、パレードに参加していた。

弾道ミサイルが無くてもソウルは…

北朝鮮は、今後の非核化交渉の結果、万が一、将来、あらゆる射程の弾道ミサイルを失っても、ソウルに対する軍事的プレッシャーは、維持できるということなのだろうか。

韓国政府は、今月18日から20日に掛けて、文在寅・韓国大統領が平壌を訪問し、南北首脳会談を実施すると発表している。文在寅大統領が、今回のパレードをどのように受け取ったか、興味深いことではある。

フジテレビ・能勢伸之解説委員

最終更新:9/9(日) 19:29
FNN PRIME