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関空めぐる権利関係複雑 防災、復旧のネックにも

9/11(火) 0:20配信

産経新聞

 関西国際空港と、関空島と対岸を結ぶ連絡橋は、所有者や運営者が複数の企業・団体にまたがっているのが特徴だ。関空の民間への運営権売却(平成28年)や道路公団民営化(17年)が背景にあり、複雑な権利関係が迅速な復旧や今後の防災対策工事のネックになりかねない。全国の公共施設では、インフラ施設の運営権を民間事業者に売却する「コンセッション方式」が進むが、その弱点が顕在化した形となった。

 連絡橋の復旧工事については、新関西国際空港株式会社(新関空会社)、JR西日本、南海電気鉄道、西日本高速が協議した結果、鉄道部分は新関空会社がJR西に委託、道路は西日本高速が進めることになった。

 関空を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は6日、「海上空港として高潮、津波が大きなリスクと認識していたが、(関西エアは)空港をいちから設計するのではなく、民間の力で活性化するのが本分」と戸惑いぎみに語った。

 関西エアは空港の土地や滑走路を所有している訳ではない。土地は関西国際空港土地保有株式会社(旧関空会社)が所有。滑走路やターミナルビルなどは旧関空会社から業務を引き継ぎ、民営化前まで運営していた新関空会社が所有している。復旧費用も100億円までは関西エアが負担するが、それ以上は新関空会社が負う契約だ。また、滑走路のかさ上げなどの防災工事は、関西エア独断ではできない。

 タンカーが衝突して損傷した連絡橋は関係がさらに複雑だ。鉄道部分は新関空会社が所有し、JR西、南海電鉄に貸している。一方、道路部分は日本高速道路保有・債務返済機構が所有し、管理・運営は西日本高速道路だ。鉄道の復旧は10月上旬と見込まれる。

 空港や高速道路などの所有権を国や自治体などに残し、運営を民間が担うコンセッション方式は、仙台や高松空港でも採用が進む。関西学院大の上村敏之教授(公共経済学)は「コンセッションを行う場合は災害の想定をきっちりして、どのインフラをだれが直すのか、事前に整理しておく必要がある」と指摘する。

最終更新:9/11(火) 8:16
産経新聞