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「165センチで290ヤード」の秘密はどこに? 1億円超えの計測器具で“小さな飛ばし屋”を丸裸にしてみた

9/11(火) 11:30配信

みんなのゴルフダイジェスト

テレビ中継にトラックマンやハイスピードカメラといった計測機器が導入され、よりプロの技術の高さを知ることができるようになってきた。しかしアメリカの研究機関ではさらに緻密な計測が行われ、PGAツアープロの技術向上に貢献しているという。今回は藤本佳則プロのスウィングを最新鋭の機材を使い専門家が分析した。ゴルフスウィングコンサルタントの吉田洋一郎がレポートする。

国内屈指の研究施設にクォン教授がやってきた

バイオメカニクス(生体力学)を用いて、効率の良いスウィングとはどんなものかを研究しているヤン・フー・クォン教授。私は教授の取り組みに共感して、数年前からプレーヤーのスウィングの研究のお手伝いをしています。

現在、欧米のティーチングでトレンドとなっているのがフォース(力の向き)を測定して、それを効率化・最大化させるようにスウィングの動きを調整していく方法です。

例えば飛距離を出すためには、出力するエネルギーを最大化する必要がある。だからそのエネルギーの大きさや向きを計測しながらもっとも効率の良い動きを探していきましょう、というものです。なんとも欧米らしく合理的な考え方ですね。理想の形があってそれに合わせるようにビデオでチェックをして修正していく方法は、もはや時代遅れの方法になってしまっているのです。

クォン教授はこれまでプレーオフで2連勝したブライソン・デシャンボーをはじめ、マット・クーチャー、ビジェイ・シン、Y・E・ヤンなど200人以上のPGAツアー、LPGAの選手のスウィングデータを収集・分析して論文を発表し、選手へのフィードバックを行ってきました。

PGAツアー選手はクォン教授にデータという「事実」を明らかにしてもらい、自分の中の勘違いや気づかなかったことを学ぶのです。タイガー・ウッズの前コーチ、クリス・コモも教授の生徒としてツアープロのスウィング計測に参加し学んでいたといいます。

バイオメカニクスに限らずこういったデータ分析は、サンプルの数が大きなポイントになってきます。トッププロのスウィングのように有効なデータをたくさん持っていれば、計測した人は平均と比べてどうか、またどこを修正したら良いかがすぐに分かります。教授のもとに多くのプロがやって来るのは、単に計測ができるからだけでなくデータを役に立てる方法を知っているからという点が大きいのではないでしょうか。

さて、普段はアメリカの大学で研究をしている教授ですが、今回日本のプロゴルファーのデータを取得するために来日しました。そんなサンプル取得の中でももっとも興味深かったのが、身長165センチながらドライバーの平均飛距離が290ヤードを誇る藤本佳則です。

フォースの測定には専用の計測器具が必要です。国内でも限られた研究施設にしかないため、今回は立命館大学の研究室の協力を得て計測をすることになりました。力の強さや向きを計る埋め込み式のフォースプレートと、体の動きを記録するハイスピードカメラやモーションキャプチャを合わせて使うのですが、今回使用した器具のお値段合計はなんと、1億円超え! 

最近レッスンやクラブフィティング等で使われる「GEARS」などの器具も注目されていますが、研究機器と比べるとおもちゃのようなものです。研究室で計測できるデータとその精度は段違いで、スウィング中の体やクラブなど細部に至るまですべての力やスピードなどをデータ化できます。まさに「スウィングの精密検査」と呼べる世界最高レベルのスウィング分析を行う事になりました。

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