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K2登頂後に滑落死 早過ぎる弟の死

9/12(水) 15:16配信

十勝毎日新聞 電子版

 7月にパキスタン北部にある世界第2位の高峰「K2」(8611メートル)登頂後に滑落死した仙台市の会社員渡辺康二郎さん(41)は芽室町議の渡辺洋一郎さん(43)の実弟で両親も町内で暮らしている。不慮の死から1カ月半あまり、洋一郎さんは「実感がなく、今でも本当かなと思う。(仲間と登頂に成功し)幸せな最後の時間を過ごせたと思う」と早過ぎる死を静かに受け止めている。

 康二郎さんは父(72)、芽室出身の母(70)の次男で紋別市生まれ。札幌に本社のある人材紹介会社の仙台支社のトップを務めていた。洋一郎さんによると、10年ほど前から登山を始め、今回が初の海外登山だった。

 今回参加した北日本海外登山研究会K2登山隊は、30~70代の日本人10人と現地スタッフで構成。5月25日から8月10日までの登山計画だった。出発の1週間前には芽室の両親の元を訪れていた。

 康二郎さんを含む6人が7月22日午後1時10分(現地時間)に登頂に成功。約1時間後に下山を始め、最後尾の康二郎さんは8300メートル付近で滑落したという。洋一郎さんは同日夕、登山隊のフェイスブックで登頂を確認。その数時間後に、実家に登山隊事務局から訃報が伝えられた。

 亡くなった場所は約8000メートルの高所で遺体は収容が困難な状況。洋一郎さんは8月上旬にパキスタンへ向かい、現地の警察で死亡証明書の発行など各種手続きを行い、今月上旬に法務局に受理された。

 共に登頂した仲間からは「登山中も周りに気を使ってくれた」「康二郎さんに励まされて登頂できた」との声が寄せられた。自身も登山を趣味とする洋一郎さんは「『この景色を独り占めしたい』と言って最後を歩いていたと聞いた。(康二郎さん)らしいなと思う」と話す。

 10月27日に仙台市で、11月には札幌第一高校のOBらが札幌で「お別れの会」を開く。(澤村真理子)