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豪紙のウィリアムズ風刺画、「差別的」批判にトップ記事で反論

9/12(水) 13:12配信

BBC News

オーストラリアの新聞が10日に掲載したセリーナ・ウィリアムズ選手のマンガが人種差別的で性差別的だと広く批判されている。同紙は一コマ漫画を描いたイラストレーターを全面的に支持する構えだ。

豪紙ヘラルド・サンが掲載した挿絵はマーク・ナイト氏が描いたもの。ラケットの上でジャンプするウィリアムズ選手を、誇張して描いている。ラケットの横にはおしゃぶりが転がっている。

人種差別的、かつ性差別的なステレオタイプをもとにした絵だと広く非難されているが、ヘラルド・サンは非難に反論し、一面トップに問題の一コマ漫画を再掲載した。

「PCワールドへようこそ」という見出しの下には、「マーク・ナイトのセリーナ・ウィリアムズ漫画について、勝手に検閲担当を自認する連中の言うとおりにしたら、ポリティカリー・コレクト(PC)な新しい社会はとても退屈なものになる」と同紙は書いた。

https://twitter.com/damonheraldsun/status/1039477479486849024

問題となった風刺画は、8日に行われた全米オープン女子シングルス決勝戦でウィリアムズが暴言を吐いた件を題材にしている。飛び上がり激高するウィリアムズを横に、主審が相手選手に「もういいから、彼女を勝たせてあげたら?」と聞いている。

これを見た大勢が、絵を非難した。作家J・K・ローリング氏は、「今いる最も偉大なスポーツウーマンを人種差別と性差別のお約束表現で矮小化(わいしょうか)して、もう一人の偉大なスポーツウーマンを顔のない小道具にした。実にお見事」とツイートした。

ナイト氏が、優勝した大坂なおみを「ホワイトウォッシュ」したと指摘する声もあった。大坂の父はハイチ人、母は日本人だ。大坂は挿絵の中で、小柄な金髪の白人女性として描かれている。

画家は自分の絵は人種差別的ではないと否定。ウィリアムズの「みっともない真似」を表現しようとしただけだと説明した。

ヘラルド・サン紙のデーモン・ジョンストン編集長も急いでナイト氏をかばいに入り、漫画は性差別でも人種差別でもなく、「テニス界の伝説のみっともない真似を、正しくあざ笑った……全員がマークを全面的にサポートする」とツイートした。

ジョンストン編集長はさらに、「勝手に検閲担当を自認する連中」を立腹させるかもしれない色々な風刺画を並べた同紙一面の画像をツイートした。

これがまたソーシャルメディアで話題となり、今度はヘラルド・サン紙が「かんしゃく」を起こしているのは実に皮肉だと大勢が指摘した。

ツイッター・ユーザーのジュリー・ストダートさんは「心の底から、あなたたちのやっていることは恥ずかしいと思う」とツイートした。ケン・マカルパインさんは「かわいそうな新聞にはハグが必要」と書いた。

一方で、同紙の姿勢を支持する人たちもいる。

「何でもかんでも絶えず怒る人が、また反応するだろうな」と@RohanCTさんはツイートした。

ポール・ペレンさんは、「怒りのための怒り!  左派の指は血だらけだろうな。 @Knightcartoons、描き続けてね。ユーモアを楽しむ人はまだいるから」とツイートした。

しかし、@Knightcartoonsをはじめナイト氏のソーシャル・メディア・アカウントはすでに消えている。

ナイト氏は11日、公共放送のオーストラリア放送協会に対し、「世界はただただ、狂ってしまった」とコメント。風刺画は、「あの日にかんしゃくを起こしたセリーナについて」描いただけだと説明した。

ナイト氏はまた、風刺対象が男性だったら、あのような絵は描かなかったのではという指摘を否定。証拠として、最近描いたテニス選手ニック・キリオスのイラストをツイートした。

(英語記事 Serena Williams: Herald Sun front page defends cartoon)

(c) BBC News

最終更新:9/13(木) 18:08
BBC News