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熊本城の石垣 初めての修復方法に挑戦

9/13(木) 20:13配信

RKK熊本放送

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特集は、熊本城の石垣の復旧についてです。

石垣の石は、壊れていなければそのまま積み直しますが、崩れた衝撃で割れたものも多くあります。

それを、くっ付けて「元の形に戻して」積み直す作業が続いています。

加藤清正が熊本城を築城したのは1607年、それ以来、天守閣の石垣の修復としては初めての手法に挑んでいます。

おととしの熊本地震で、熊本城の石垣は、面積にして約3割が崩れ落ちました。

10万個近い崩れた石には、元の位置へ戻すために番号がふられ、一つ一つが積み直しを待っています。

その石垣の復旧が、今年7月、大天守からスタートしました。

ここでは791個の石を積み直します。

「大天守を支える新たな石垣の加工工事が進んでいます」(記者)

地震の衝撃で傷付いた石は、どんな壊れ方をしたかによって、違う道を辿ります。

その中で、約130個は再利用できない状態で、同じ形に加工した石を新たに作ることで補います。

一方で、石はその全てが文化財。できる限り元の石を使うのが原則です。

そこで、大天守に組まれた足場で今、進められているのが…壊れた石の修復。

「石を元の形に戻す」のです。

一体どうやって?

修復には、3つの方法があります。

1つは「エポキシ樹脂」という接着剤で、石と石をくっつける方法。

セメントよりも強度が高いエポキシ樹脂を使った修復は、本丸御殿の復元でも採用され、その時の石は熊本地震の衝撃にも耐えたということです。

「(石垣の)一番上だったら、エポキシ樹脂だけでも全然持つ。ただ、二段目三段目と下になると荷重がかかってくるので」(葵文化 加来寿一さん)

となれば、登場するのが、他2つの方法。

くっつけた境目をシールで仮止めし、外からステンレス棒を貫通させて固定する方法。

また、欠けた石に厚みがあり外からの固定が難しいケースは、両方の石の内側に、より太い棒を通し、エポキシ樹脂で固めていきます。

場合によっては、この3つの方法のいずれかを組み合わせる事もあると言います。

「これは二段目(に積む石)。上に乗ってくるので荷重がかかる。隅の方には。だから一応この中にもピンが入っている。それと、角の方にもピンを入れて強くする、強度を持たせるやり方」(葵文化 加来寿一さん)


熊本城調査研究センターによりますと、天守閣の石垣に修復した石が積まれるのは、加藤清正が熊本城を完成させた1607年以来、初めてのこと。

「やっぱり地元の観光名所でもあるので、後世に残していくために、自分たちがやらないと」(葵文化 加来寿一さん)

地元・熊本の職人たちは、未来の熊本城を想像しながら、日々、作業にあたっています。


大天守で積み直す800個近い石のうち、くっ付けて元の形に戻す必要のある石は、少なくとも180個以上。全体の3割弱にあたります。

また、城内全体で崩れ落ちた石10万個を積み直すには、20年かかると見られています。

こうした努力で文化財としての価値を守ろうとした多くの職人たちがいることも、これから次の世代へ伝えていきたいと思いました。

RKK熊本放送

最終更新:9/15(土) 14:10
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