ここから本文です

北海道地震1週間 全壊73棟、5キロ四方集中 厚真町、土砂災害の山裾

9/13(木) 7:55配信

産経新聞

 北海道で最大震度7を観測した地震で、36人が死亡した北海道厚真(あつま)町が、被災家屋の状況を簡易的に調査した結果、全壊が73棟に上り、町北側の山間部の3地区に集中していたことが12日、分かった。地震の揺れに比べ、土砂災害による被害の大きさが裏付けられた形となった。13日で地震発生から1週間。町内では余震が続き、多くの地区で断水。避難生活の長期化は避けられず、被災者に不安が広がっている。

 町は地震発生後、災害救助法に基づく応急仮設住宅の必要戸数を把握するため、家屋の被災状況を目視で調査。その結果、全壊は73棟、半壊は94棟、一部損壊は53棟で、計220棟の被害を確認した。

 町幹部によると、73棟のうちの多くは、町中心部に位置する町役場から北側の地域にある切り立った山裾に建っており、特に吉野(犠牲者19人)、富里(同4人)、幌内(ほろない)(同4人)の約5キロ四方の3地区に集中していた。

 気象庁の推計震度分布図では、3地区の震度は6弱とされているが、震度6強の南側の地域よりも全壊割合は高く、土砂災害の被害が大きかったことが改めて判明した。

 拡大した被害。町内7カ所の避難所には、12日時点で約1千人が身を寄せており、町は同日、公的支援を受けるために必要な「罹災(りさい)証明書」の受け付けを開始するなど、避難生活解消に向けた動きを加速する。

 発行の目標は1週間程度とするが、町内には土砂崩れで通行できない道も多く、町による確認作業は難航が予想されている。

 また、町内3カ所の浄水場のうち、8月に稼働したばかりの北部の浄水場は地震による土砂崩れで使用できなくなった。再開したのは1カ所だけで、供給範囲は約2千戸のうち2割強の約450戸にとどまり、全面復旧には1カ月程度かかるとみられる。避難の長期化は避けられない見通しだ。

 被災者は疲労の色を濃くする。町内では自衛隊が水や風呂を提供しているが、洗濯やトイレなども仮設で満足にできず、衛生状態を懸念する声があがる。また段ボールで腰の高さ程度の仕切りがある避難所もあるが、カーテンなどは設置されていない。

 町役場そばの総合福祉センターに夫と避難する内山洋子さん(81)は「プライバシーのない集団生活が続けば気がめいる」とため息をつき、小学生の子供1人を連れて避難している30代の女性も「子供が周囲に迷惑をかけてしまわないか」と不安を口にする。

 町幹部は「ある程度の避難生活の長期化は覚悟している。関係機関と協力しながら避難者のケアにも努めたい」としている。

最終更新:9/13(木) 10:06
産経新聞