ここから本文です

スポーツ界のハラスメント。トップ選手よりひどい暴力指導が、部活にはびこっている

9/13(木) 6:53配信

BuzzFeed Japan

体操の宮川紗江選手(19)がコーチから暴力を振るわれたとして話題になっている、スポーツ界のハラスメント問題。日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題でも、背景には監督と選手の圧倒的な力関係があったことが明らかになった。暴力か指導か。スポーツ界はハラスメントをどうとらえているのか。【BuzzFeed Japan / 小林明子】

6人に1人が中学で「下着の色」を決められていた。

内閣府男女共同参画会議の女性に対する暴力に関する専門調査会で9月12日、日本スポーツとジェンダー学会会長で弁護士の白井久明さんから報告があった。

以下、白井さんの報告をまとめる。

---------------------

「暴力行為根絶宣言」をしていた

スポーツの世界で、暴力の問題は昔からあります。

2012年、大阪市立桜宮高校で、バスケットボール部の主将が顧問から体罰を受けて自殺した事件がありました。また、2013年には、女子柔道の日本代表選手らが監督からの暴力やパワーハラスメントを日本オリンピック委員会(JOC)に集団で告発していたことが明らかになりました。

暴力やパワハラ防止にスポーツ界も取り組まなければならないということで、2013年に、日本体育協会(現日本スポーツ協会)やJOC、日本障害者スポーツ協議会、全国高等学校体育連盟、日本中学校体育連盟の5団体が、「暴力行為根絶宣言」を全会一致で採択しました。

その採択の場に私もいたのですが、指導者から暴力を受けた2人の選手が、体験を話してくれたのです。

「お前は下手な選手だ」と床に投げ倒されて顔を踏まれたり、「メリーゴーラウンド」と言われて髪をつかんで振り回されたり。通常の暴力の想像を超えるひどいものでした。同時に「ここまで話してくれる選手が出てきたのだ」とも感じました。

選手の3割が「暴力はある」

JOCは2013年、競技活動の場におけるパワハラ・セクハラに関する調査を、加盟57競技団体の選手と指導者を対象に実施しました。

回答した選手1902人のうち、競技活動の際に、暴力行為を含むパワハラ、セクハラを「受けたことがある」と答えた選手は219人(11.5%)、「見たことがある」と答えた選手は231人(12.1%)、「噂に聞いたことがある」と答えた選手は205人(10.8%)でした。

およそ3割の選手が、何らかの形でパワハラやセクハラの存在を認識しているわけですが、これを「3割も」と見るのかどうか。私は、もっとあるのではないかと疑っています。

指導者の回答も同様で、ハラスメントを認識していた指導者が約3割いました。詳しい傾向については分析が必要ですが、パワハラの中にはセクハラ的な要素が含まれていることが多く、パワハラとセクハラを分けて考えないほうがよいと思います。

パワハラもセクハラも、加害者と被害者の立場の差、同調圧力、階級の上下関係などが構造としてあります。双方の関係性によって、内容の評価が違ってきます。

宮川選手は、コーチからパワハラを受けたことを否定し、日本体操協会からパワハラを受けたと主張しています。どちらがパワハラなのか、という論点にするのではなく、それぞれどのような行為だったのかを整理して把握する必要があります。

そのうえで、やはり暴力は容認できるものではありません。加害者や被害者が、これは暴力だという認識があるかないかに関わらず、暴力は個人の人格や尊厳を侵害する許されない行為です。

1/3ページ

最終更新:9/13(木) 7:04
BuzzFeed Japan

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ