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交通事故で脚に大けがをした。17歳の僕が「手術したい」と言えない理由

9/13(木) 18:31配信

BuzzFeed Japan

親から虐待を受けるなどして施設で暮らしている子どもたちは、やがて自立します。しかし生活は決して楽ではなく、子どもの境遇によって経済的な格差が生まれています。【BuzzFeed Japan / 小林明子】

【保存版】虐待から子どもを救うため、大人が知っておきたいこと

ときどき、脚がしくしくと痛む。仕方がないものだから慣れよう。そう考えるようにして、やり過ごしてきた。手術をすれば症状は治るはずだと医師から聞いたときも、17歳のナオキさん(仮名)は「だったらすぐに手術をしたい」とは言わなかった。

ナオキさんは、千葉県市原市にある自立援助ホーム「みんなのいえ」で、同年代の男子4人と暮らしている。いずれも、虐待などを理由に家族と暮らすことができず、児童相談所の一時保護所や児童養護施設を転々としてきた子どもたちだ。

「けがは治ったでしょ」

「脚について、なんて言えばいいのかなぁ。うまく説明できないんですよね。どこから話せばいいか」

両親のことは、何も覚えていない。

ナオキさんは1歳のとき、乳児院から児童養護施設に入所した。何らかの事情で親と暮らせない子どもたちが預けられる施設だ。

施設では、本人によれば「問題児」。職員ともめることが多かったという。

小学5年の終わり頃、交通事故に遭い、太ももに大けがをした。けが自体は病院で手当をして治ったが、痛みは長く続いた。

「1年くらいの間にどんどん痛くなって、本当に痛かったし、歩くのもしんどかった。あるとき、体操をしていたら左右の脚の長さが違うことに気づいたんです。病院に行かせてほしい、と半年くらいずっと施設の職員に頼んだんですが、『けがは治ったでしょ』と言われ、連れて行ってもらえませんでした」

自分の問題行動のせいで

職員に対する不満から、職員や入所している他の子どもと衝突することが増えた。学校の友達ともケンカしたり、放置自転車に無断で乗ったり。そうした行動が原因で児童相談所で一時保護されることになり、中学2年の半年間、一時保護所で過ごした。

一時保護所では、異なる年齢の子が共同生活する。外出は制限され、学校に行くこともできなかった。

「いま思えば、自分がいた児童養護施設は、他の施設と比べると規則も少なくて過ごしやすかったみたいでした。自分が昔からやんちゃで、いろいろと問題を起こしていたから、その積み重ねのせいで病院に連れていってもらえなかったんだと思います」

ナオキさんは、病院に行けなかったことは自分の責任だと思っている。

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最終更新:9/13(木) 19:38
BuzzFeed Japan