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横浜の歴史を浪曲に2作品 日本唯一の夫婦コンビが披露へ

9/13(木) 14:01配信

カナロコ by 神奈川新聞

 横浜の知られざる歴史を掘り起こし、浪曲で伝える「うたって語って桜木町」が17日、横浜市中区の横浜にぎわい座で開かれる。演じるのは、浅草を中心に活躍する浪曲師の東家一太郎(39)と妻で曲師の東家美(みつ)(37)。日本で唯一の夫婦浪曲コンビが、同公演のために書き下ろした横浜のご当地浪曲2作品を、息の合った至極の芸で披露する。 

 浪曲師が節と語りで盛り上げ、曲師が即興の三味線で音楽を奏でる浪曲は、二人のあうんの呼吸で物語を披露するのが特徴だ。「和製ミュージカル」とも言われ、落語、講談と並ぶ日本三大話芸の一つとして親しまれてきた。

 夫婦で舞台に立ち、今年で6年目。「昔は夫婦で浪曲を披露することが多かったけれど、今は曲師の人も減り、私たちだけになってしまいました」と二人。「夫婦だと、あうんの呼吸がよりうまくいって、お客さまはより一体感を楽しめます」と笑顔を見せる。

 今回披露するのは、横浜を代表する実業家・原三渓の生誕150周年を記念し、制作した「ヨコハマ今昔 濱自慢」だ。関東大震災の復興を願って原が作詞した小唄「濱自慢(復興小唄)」を題材に、原の子孫やゆかりの地を訪ね歩きながら、浪曲に練り上げた。

 横浜よいところぢゃ 太平洋の春がすみ わしが待つ舟明日つくと 沖のかもめがきてしらす

 復興に進む市民を勇気づけようと、横浜の春夏秋冬の情景を原が詞にしたため、当時の花柳界で歌われてきた曲だ。「今の時代も、災害に苦しむ人たちがいます。原三渓が横浜の復興に込めた思いを浪曲にして、横浜だけでなく、全国で披露して人々を勇気づけたい」と二人は作品に思いを込める。

 また、室町から戦国時代にかけて、現在の南区にあった「蒔田城」をモデルに書き下ろした「蒔田の吉良~まぼろしの城と鶴松姫」も披露する。

 「浪曲のことをほとんど知らない人でも、地元の歴史を知ることで楽しめると思います。そして、これを機会に、浪曲に興味を持ってくれればなおうれしいです」と二人は話している。

 午後2時開演。チケットは1500円(自由席)。会場は横浜にぎわい座・のげシャーレ(小ホール)。問い合わせは、同館TEL045(231)2515。