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企業の内部留保、過去最高を更新。国内市場縮小で今後も蓄積続く?

2018/9/17(月) 9:00配信

THE PAGE

 企業が過去に得た利益の蓄積である内部留保が6年連続で過去最高を更新しました。安倍政権は何度も企業の内部留保を問題視する発言を行っていますが、日本企業は内部留保の蓄積に励んでいます。なぜ企業は得た利益を投資せず、内部に溜め込んでいるのでしょうか。

 財務省が3日に発表した法人企業統計によると、2017年度における企業の内部留保は446兆4800億円となり、6年連続で過去最高を更新しました。内部留保とは貸借対照表(バランスシート)の利益剰余金のことを指しており、あくまでも会計上の概念です。実際に同額の現金が存在しているわけではありませんが、内部留保の半分程度が現金として眠っているのは事実です。

 これまで安倍政権はたびたび多額の内部留保を批判する発言を行ってきましたが、企業の姿勢はほとんど変わっていません。企業が内部留保を溜め込み、賃金や設備投資に回さないことにはいくつか理由があると考えられます。

 賃金についてですが、企業経営の原則として、内部留保を賃金に回すことは通常、あり得ません。賃金は製品やサービスを販売した利益の中から捻出するものであって、内部留保は賃金を支払った後の結果として得られた利益の蓄積ですから、そもそも順番が違うわけです。

 最大の問題は、これだけ内部留保が蓄積されているにもかかわらず、設備投資が活発化していないことでしょう。

 企業の設備投資は、将来の経済見通しに大きく左右されます。現時点で日本企業が積極的に設備投資を行っていないということは、将来の市場動向について悲観的に見ているということに他なりません。

 現代はグローバル化の時代ですから、国内に成長余力がなければ海外に活路を見出すのが普通ですが、日本の場合には雇用という大きな問題があります。日本では原則として社員を解雇できませんから、海外に事業をシフトした場合、国内の従業員をどうするのかという問題がつきまといます。このため一部の企業を除いて海外に積極投資することには消極的です。

 国内市場は今後、緩やかに縮小するのが確実ですから、これからも大きく設備投資が増える可能性は低いでしょう。昨年は絶好調の米国経済に支えられ、輸出産業を中心に企業の業績は拡大していますから、こうした恩恵を受ける企業の設備投資は伸びる可能性があります。しかしながら、全体的には内部留保を蓄積する傾向が当分の間続きそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2018/10/1(月) 12:55
THE PAGE

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