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北海道地震で被災者の“生命線”の指定避難所が倒壊 専門家「全国的に場所の見直しを」

9/14(金) 22:22配信

産経新聞

 北海道で6日に発生した地震に伴う土砂崩れで、北海道厚真(あつま)町では、被災者の滞在先となる“生命線”の指定避難所が倒壊するなどしていたことが14日、明らかになった。日本では、森林が国土の約7割を占めており、土砂災害の専門家は「全国的に急傾斜地に近い指定避難所の見直しが必要だ」と指摘している。

 内閣府によると、指定避難所の基準は、具体的な定めはないものの「想定される災害による影響が比較的少ない場所」とされる。今回の地震による土砂崩れで倒壊した厚真町の指定避難所もそうした基準で選ばれたものだった。

 しかし、住民の命を守るべき拠点が土砂災害に巻き込まれた。町は「想定外」と釈明しているが、これまでにも指定避難所が被災するケースは全国で散見され、自治体の認識の甘さが問題視されてきた。

 平成28年4月の熊本地震では、学校を中心に柱などが損傷し、指定避難所として使えない施設が相次いだ。今年7月の西日本豪雨でも、川の氾濫などの危険から避難所が閉鎖され、住民が再避難を余儀なくされるケースもあった。

 防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の酒井直樹主任研究員(地盤工学)は今回の地震を踏まえ、「指定避難所の付近に山や崖などがないか、全国で点検を進める必要がある」と強調。国が中心となって立地に応じた避難所指定のガイドラインを示すべきだとの認識を示す。自治体側も地域の特性をより考慮して避難所を指定することが求められるとする。

 今回のような地震による土砂災害の発生は揺れや地盤の固さなどが影響するため、大雨に伴う場合などと異なり予見は難しい。

 酒井氏は「地域住民が切迫性を感じられる指標が必要になる。避難所のそばにある急傾斜地などに地面の動きを感知するセンサーや雨量計をローコストで設置できるようになれば、危険性を察知しやすくなるだろう」との見方を示した。

最終更新:9/14(金) 22:22
産経新聞