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ドローンで鹿追い払い 高度5メートル、青く光って接近 夜間自動飛行で実証 京都

9/14(金) 16:02配信

日本農業新聞

 京都府森林技術センターと防犯サービスを手掛けるセコムは、ドローン(小型無人飛行機)で鹿を追い払うことに成功した。夜間、敷地内への侵入をセンサーで検知、青く光るドローンが鹿のいる場所まで自動飛行して、驚かせて追い払う。農地の保護に加え、鹿の食事や繁殖の機会を妨げて頭数管理にもつながる技術とみて、実用化を目指す。

過疎地の有効対策に

 鹿の農作物被害額は全国で約56億円(2016年度)に達する。府内は減少傾向だが、年間1億円前後で推移する。同センターは、新たな鹿対策として、セコムが開発した自動飛行ドローンに注目した。同社が防犯用に開発したドローン監視システムで、地上に置いたセンサーが侵入者を検知すると、その位置情報を基にドローンがその場所まで飛び、カメラで撮影するもの。これを応用して自動で追い払いができれば、人手の確保が難しい過疎地での有効対策になると考えた。

 実験は11、12月の夜間に、5000平方メートルほどの範囲で行った。効果を確認するために、栗で誘引した鹿を対象とした。

 実験の結果、飛行高度を通常(15メートル)より低い5メートルにし、ドローンを青色に光るようにすると、効率的に 追い払えることが分かった。地上のカメラには、鹿が徐々に近づくドローンに気付いて警戒し、最後は走って逃げ出す様子が写っていた。

 課題には、起伏の多い山間部への対応やバッテリーの持ち時間などが残っている。同センターは今後、より大規模な実証試験を始める計画で、センサーや機器を改良して実用化を目指す。

 同センターの小林正秀主任研究員は、「柵や撃退器では駆除はできず、慣れてきて抜本的な解決にはならない」と指摘。鹿は走り続けると死ぬことが分かっており、「追い払いだけでなく、ドローンで追い続けられれば、駆除もできる」と期待する。

 また、獣害対策だけでなく、過疎地が抱える諸課題の解決でもドローンの活用が期待されている。「高齢者の監視や、神社仏閣からの物品盗難対策にも使える」(小林主任研究員)とみている。

日本農業新聞

最終更新:9/14(金) 16:15
日本農業新聞