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標準和名の創設を学ぶ 動植物標本や図鑑も展示 小田原で24日まで

9/14(金) 17:19配信

カナロコ by 神奈川新聞

 明治期の日本が取り組んだ近代化の一分野として動植物の「標準和名」に着目したミニ企画展示が、県立生命の星・地球博物館(小田原市入生田)で行われている。開催中の特別展「植物誌をつくろう!」にちなんだ「明治150年」関連事業で、9月24日まで。

 同館によると、江戸時代は、動植物の薬効などを研究した中国の本草学に基づく「漢名」、それに対応させた「本草学上の和名」、日本各地での呼び名「地方名」など同一の種に複数の名称が混在していた。

 それが明治維新を経て、まず学校教科書に載せる名前を選ぶ必要に迫られた。続いてラテン語を基礎とする世界共通の「学名」に対応して種の呼び名を統一すべきではという動きが出て、標準和名の創設につながったという。

 ミニ企画は無料エリアの壁面を利用。「明治日本の自然史科学の夜明け 生物学における標準和名の誕生と日本社会に与えた影響」と題して、植物・魚・昆虫の標本12点、江戸から明治にかけて動植物名を記した各種の図鑑と教科書9冊、牧野富太郎ら標準和名制定に尽力した研究者とその事績を紹介するパネルなどを展示している。

 「研究成果を社会に還元する」必要性から広まった標準和名だが、差別語など不適切な名称がある一方、明確な命名基準がないなど現在に続く混乱も紹介している。同館の担当者は「博物館としては珍しく、『モノ』でなく『概念』をめぐる展示。身の回りにいる生き物の名前の誕生について考えるきっかけになれば」と話している。

 休館日など問い合わせは同館電話0465(21)1515。