ここから本文です

抗がん剤新薬、米国投入 富山化学工業のリポソーム製剤 富士フイルム臨床着手

9/14(金) 2:00配信

北國新聞社

 富士フイルムグループは、富山で生産を目指す抗がん剤新薬の米国での臨床試験に着手した。カプセル状の微粒子に抗がん剤を包んで患部に直接投与する「リポソーム製剤」の薬効を検証し、米国で2024年ごろの市場投入を目指す。グループの富山化学工業(東京)が富山市内で整備する工場で製造に当たる。

 臨床試験を始めた抗がん剤「FF―10832」は、すい臓がんの治療に用いる既存薬の「ゲムシタビン」をリポソーム製剤にし、進行性がんに対する有効性や安全性を確認する。

 リポソーム製剤の製造過程で、富士フイルムの持つ写真フィルム技術を活用した。製造は富山化学工業が10日に富山市内で着工した新工場を活用する。

 富士フイルムによると、がん組織に対し、特殊カプセルで包んだ抗がん剤を直接患部に投与するため、副作用が少なく、既存薬に比べて少量でも同等の薬効が期待できるという。これまでのマウス実験では、既存薬の60分の1程度の投与量で有効性を確認した。

 リポソーム製剤の生産に向け、富山化学工業が整備する工場は2階建て延べ床面積約3500平方メートルで、ICT(情報通信技術)を活用した最先端の生産技術を取り入れる。投資額は約40億円で、2020年2月の稼働を目指す。

 新工場の稼働後は米国での臨床試験に使用する治験薬も製造するほか、本格的な商業生産に向けた体制を整備する。米国での臨床の研究成果を生かし、国内でもリポソーム製剤の早期の展開を狙う計画である。

 国内市場が薬価引き下げで収益環境が悪化する中、富山化学工業は付加価値の高い医薬品の開発に力を入れ、将来的には次世代医薬品の核酸医薬品や遺伝子治療薬への応用も図る考えだ。

北國新聞社

最終更新:9/14(金) 2:00
北國新聞社

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ