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イルカ「ニーハ」が出産間近 人工授精は国内4例目

9/15(土) 11:02配信

長崎新聞

 長崎県佐世保市鹿子前町の九十九島水族館(海きらら)で、人工授精で妊娠したハンドウイルカ「ニーハ」の出産が間近に迫っている。成功すれば国内で4例目。スタッフは母子の健康管理に細心の注意を払い、誕生の日を心待ちにしている。
 11日午後4時半ごろ、プールの中を元気に泳いでいたニーハは、スタッフの指示であおむけになって静止した。この日は週に1度のエコー検査。獣医師の加来雅人さん(32)は胎児の様子を確認し、胸をなで下ろした。「元気に心臓が動いている」
 ニーハは昨年9月、神戸市立須磨海浜水族園から提供された精子で妊娠した。妊娠期間は約1年で、9月下旬の出産を予定している。
 加来さんは毎週、胎児の大きさを測定。順調に成長しているか、心臓の動きに異常がないかなどを確認している。2カ月ほど前からは、ニーハのおなかを通し胎児が動く感触が伝わってくるようになった。
 昨年3月から海きららで勤務しており、出産に関わるのは初めて。妊娠初期はエコー検査で胎児を見つけられないこともあり、苦労が絶えなかった。文献を読んだり、ほかの獣医師に相談したりするなど、試行錯誤しながら見守ってきた。
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 イルカの人工授精は国内で例が少なく、分かっていないことが多い。野生のハンドウイルカは群れの中で出産や育児について学ぶが、水族館ではそれがない。無事に産んでも、授乳できずに死ぬことも多いという。
 海きららでは、出産後にスムーズに子育てができるように、ほぼ毎日のように授乳や搾乳のトレーニングをしている。トレーナーの佐藤瞭一さん(25)は「効果の有無は分からないが、できることは全部やっておきたい」と話す。
 出産の兆候が出てからは、24時間の監視体制に入る。8月には大分県で人工授精のイルカが死産しており、最後まで気が抜けない。加来さんは「とにかく無事に産まれてきてほしい」と願っている。

最終更新:9/15(土) 11:02
長崎新聞