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稀勢、負けちゃった…千代大龍のいなしにアッサリ/秋場所

9/15(土) 7:00配信

サンケイスポーツ

 大相撲秋場所6日目(14日、両国国技館、観衆=1万9368)場所連続休場から復帰し、進退を懸ける横綱稀勢の里(32)は平幕千代大龍(29)に押し出され、初黒星を喫した。千代大龍は3個目の金星。横綱白鵬(33)は行司軍配差し違えで平幕正代(26)を寄り倒し、鶴竜(33)は小結玉鷲(33)を突き出し、ともに全勝をキープ。大関とりの関脇御嶽海(25)は大関豪栄道(32)に寄り切られ、初黒星となった。

 左足から踏み込んだ横綱の上体が、立ち合いの衝撃とともに伸び上がる。両足がそろいかけた瞬間、右へ体を開いた千代大龍がいなしながら、右のおっつけ。体を横向きにされた稀勢の里は、抵抗できずに押し出された。

 進退をかける復帰場所。初日からの連勝は5で止まり、土俵上に舞う座布団を見ながら口を一文字に結んだ。支度部屋では「また、あしたはあしたで。やっていく」。一言だけ口にした。

 前日の5日目には横綱審議委員会の本場所総見があり、北村正任委員長(77)=毎日新聞社名誉顧問=は土俵際での連日の逆転白星などで序盤を5連勝で乗り切った稀勢の里を高く評価。一方で、「長い間休んでいて、緊張感のなかで相撲を取っている。相当気力的にも、体力的にもエネルギーが必要だろう。これから先に続くかどうか」と心配していたばかりだった。

 通算13個目の金星配給。だが、八角理事長(元横綱北勝海)は「立ち合いは悪くなかった。ただ、前へ出て流れに乗ってしまった」と悲観はしていない。

 兵庫・加東市に「起勢の里」という緑地に囲まれたエリアがある。播磨国風土記によれば、古くは「こせのさと」と呼ばれ、現在は横綱とは文字は異なるが、「きせのさと」と読ませる。加東市都市整備部土木課によれば「2つの公園や杜などがあるエリアで、ピンポイントの場所ではなく地域をさす」と説明した。

 いまここに、県外からも足を運ぶ家族連れなどが増えているという。退路を断ち、土俵人生をかけて必死に復活を目指す稀勢の里の姿と重ね、にわかな“パワースポット”とみられているようだ。先は長い。真価を問われるのはここからだ。