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「両国の友好親善と協力の進化に期待」 皇太子さま、フランス訪問ご感想全文

9/15(土) 12:01配信

産経新聞

 フランスを初めて公式訪問していた皇太子さまは15日の帰国後、宮内庁東宮職を通じて感想を示された。全文は以下の通り。

 はじめに、この度の平成30年北海道胆振東部地震により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族と被災された方々にお見舞いを申し上げます。今回の訪問中、フランスの多くの方から、北海道での地震をはじめ、日本で発生している災害による被害に対してお見舞いの言葉を頂きました。フランスが示してくださった、親愛と連帯に感謝いたします。

 この度、日仏友好160周年という節目の年に、フランスを訪問できたことを嬉しく思います。この重要な年に、フランス政府が私を招待して下さったことに感謝申し上げます。特に、マクロン大統領及びブリジット夫人には、とてもお心のこもった晩餐会を催して頂き、また、大統領とは能公演も御一緒させて頂くなど、大変良くして頂き、お礼を申し上げますとともに、御夫妻の気さくでお優しいお人柄に触れることができたことをうれしく思います。また、今回の訪問中、リヨンの空港までお出迎え頂き、また、夕食会を主催するのみならず、様々な行事にも御一緒して下さったコロン内務大臣、その他フランス政府の関係者、歴史ある国民議会議長公邸で昼食会を催して下さったビュロー=ボナール国民議会副議長その他議会関係者、さらには、ケペネキアン市長などリヨン市の関係者やグルノーブル市関係者を含むフランスの国民の皆様から、とても温かいおもてなしを頂いたことに対し、深く感謝いたします。

 今回は、平成3年にモロッコ及びイギリスを訪問した途次に立ち寄って以来、27年ぶりのフランス訪問となりましたが、英国留学中の昭和59年春に初めて訪問した時から数えると、今回で7回目のフランス滞在となります。その間、フランスの美しい自然や伝統、豊かな個性を有する地方などにも触れてまいりましたが、今回の訪問を通じて、改めてフランスという国が多様性に富む国であるということ、また、フランスの人々が日本という国に対してとても高い関心と強い親近感を持ってくれていることを、強く感じました。

 今回の訪問の中で最も印象に残ったのは、リヨンの織物博物館やグルノーブルの最先端技術の研究拠点、パリのネッカーこども病院など様々な施設を視察し、また、多くの方々とお話をする中で、19世紀半ばに蚕と生糸から始まった日仏交流の絆が、時を経て、文化や芸術、そして最近では最先端技術の研究開発や教育といった様々な分野に広がり、幅の広い重層的な協力関係に発展してきているのを実感することができたことです。白い絹の糸を紡ぐことで始まった日仏両国間の友好親善と協力が、時を経て、交流分野が広がるにつれて、様々な色に染まった糸も生まれ、今や、多彩の色の糸が織りなす美しい織物に発展しつつあることを、とてもうれしく思います。

 また、今回の訪問中に参加させて頂いたジャポニスム2018の行事でも、多くのフランス人が楽しみながら鑑賞している様子を窺い知ることができ、日本の文化・芸術がフランスの方々にとても好意的に受け入れられていることを体感するとともに、ジャポニスム2018が謳う「響き合う魂」というテーマが、単なる言葉ではなく、日仏両国の文化や人々の心に根ざす価値観、考え方に裏打ちされたものなのだと感じました。

 さらに、グルノーブル・アルプ大学では日本語を学ぶ学生さんと、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ校では日本語を学習するフランスの中高生の皆さんと、そして、パリとリヨンではフランスで学ぶ日本人の小中学生と、それぞれお話をする機会を得ましたが、これからの日仏間の友好親善と協力を担う若い世代の人たちが、それぞれの国に対してとても強い関心を持ち、協力しながら各々の夢を育てようとしていることを垣間見ることができ、とても心強く思いました。また、ブルゴーニュでは、東日本大震災の折、子供たちが日本のために何かできないかということで募金活動をして下さった、との話を伺い、感銘を受けるとともに、日仏の絆が若い世代でもしっかりと培われていることを、とてもうれしく思いました。

 最後になりますが、今回の、日仏友好160周年という節目の年に行われました私の訪問が、今後の我が国とフランスの間の一層幅広い分野での交流のさらなる発展に貢献し、両国の友好親善と協力が、美しい「絹の着物」へとさらに進化していくことを期待しています。

 なお、雅子は、学生時代に二度フランスで語学研修を行っておりますので、今回の訪問に同行することができなかったことは残念でしたが、本人もフランス政府よりの御招待を大変ありがたく思っております。マクロン大統領、ブリジット夫人はもとより、現地でお目にかかった多くの方々から、雅子に対し温かいお言葉を頂いたことに、厚くお礼申し上げます。

最終更新:9/15(土) 12:01
産経新聞