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ある朝、家に帰ると棺桶のそばで母親が泣き崩れていた

9/15(土) 7:02配信

BuzzFeed Japan

スーツにメガネというサラリーマン然とした風貌。甲高い声で言葉の速射砲を繰り出し、強面のラッパーたちを次々に仕留める――。MCバトル番組「フリースタイルダンジョン」(テレビ朝日系)に初代モンスターとして出演し、その鋭い舌鋒から「ディスの極みメガネ」の異名をとった。DOTAMA、33歳。心の奥底に、常に「怒り」をたぎらせて生きてきた。会社員時代の葛藤、母親への屈折した思い、そして弟の死…。自伝『怒れる頭』(DLEパブリッシング)で赤裸々に半生を綴ったDOTAMAが、自らを駆り立てる「怒り」について語った。【BuzzFeed Japan / 神庭亮介】

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曽祖父から続く教師一家

栃木県佐野市、曽祖父と祖父が校長で、両親も教員という教師一家の長男に生まれた。何不自由のない幸せな暮らしだったが、教育熱心で厳格な母は些細なことで声を荒らげた。

小学4年生のころ、2年生の次男、保育園児の三男と通っていた書道教室で、ふざけて遊んでしまったことがある。

「さっきのあの態度はなんなんだよ! おい!」

帰り道、神社の前で車を停めた母は、兄弟3人を境内に立たせて怒鳴り上げた。いま思えば、子どもたちへの期待の裏返しだったのだろう。仕事や育児、介護に追われ、精神的に参っていたのかもしれない。

けれど、当時はそんな事情は知る由もない。この人は大丈夫なんだろうか? 幼心に母への疑念が膨らんでいくのを感じた。

「男口調で怒鳴りつけられてショックだったし、理不尽さを感じました。母親としては許せなかったんでしょう。父親が2人いるみたいな家庭でしたね」

文化祭のほろ苦い思い出

中学生になるとDragon Ashにハマり、ZeebraやTHA BLUE HERB、DMX、ウータン・クランなどヒップホップを聴き漁った。

音楽の授業の課題で自作のラップを提出し、友人とミュージックビデオをつくったこともある。Dragon Ashの「Deep Impact」のMVに感化され、床に置いたカメラから仰ぐように撮影した。

高校3年生の文化祭では、友人と結成したユニット「ドリルヘッド」として後夜祭のトリを務めた。が、玄人好みの楽曲は、高校生にはてんでウケなかった。

現在も名乗る「DOTAMA」というMCネームは、ドリルヘッドを漢字にした「怒頭」をさらにアルファベット表記に改めたものだ。

進学校のため同級生は大学進学組がほとんどだったが、ヒップホップへの思いばかりが募り、受験勉強にもまったく身が入らない。いまよりずっと回線スピードが遅く、カクカクしたMCバトルのネット動画を眺めては、いつかは自分もと夢想した。

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最終更新:9/15(土) 7:45
BuzzFeed Japan