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生乳廃棄、補償制度なし 牛の治療費補助のみ 支援求める声

9/15(土) 6:04配信

北海道新聞

 胆振東部地震による大規模停電で、搾乳作業に支障が出た酪農家が多くの生乳廃棄を余儀なくされた。病気になった乳牛の治療費を補助する国の制度はあるが、生乳を廃棄した場合に損失分を補う仕組みはなく、今後、国などに対し、酪農家への支援を求める声が高まりそうだ。

【動画】再建へ一歩ずつ 胆振東部地震

 道内全域を襲った大規模停電は6日からほぼ2日間続いた。この間、停電で搾乳機が使えず、道内の大半の乳業メーカーの工場が操業を停止したため、生乳の多くは出荷できず、やむを得ず廃棄した。搾乳できない間に牛の乳房に雑菌が入り、発熱などを起こす乳房炎を発症する乳牛も増加し、死ぬ例も出ている。

 国の家畜共済制度は、加入している酪農家を対象に、初診料を除き、乳房炎などの治療費全額を補償する。乳牛が死んだ場合には、その価値に相当する額の一部を補っている。

「国として補償したことはない」

 一方、生乳を廃棄した酪農家を支援する制度はなく、緊急対応を含め「これまで国として補償したことはない」(農林水産省牛乳乳製品課)。7月の西日本豪雨で被害を受けた酪農家には、畜舎の修理や病気予防費用などの一部を補助し、経営再建を支援した。

 2016年の熊本地震では、牛舎が倒壊するなどし、一部の酪農家が生乳を廃棄。このときは、生産者団体の中央酪農会議(東京)が、広報活動などのために事前に加盟農家から集めていたお金を活用し、被害の一部を補った。

 ただ、熊本地震での生乳廃棄量が約700トンだったのに対し、道内の廃棄量は約2万トンに上るともされる。

 中央酪農会議は道内酪農家への支援について「熊本地震とは被害の規模が異なる上に、道内の被害状況を十分に把握できていない。まずは義援金を募り、応援したい」としている。

北海道新聞

最終更新:9/15(土) 6:04
北海道新聞